一管いっかん)” の例文
そう教えてから介三郎は一管いっかんをふき鳴らしたのである。かれらは、おしえられることに素直であった。なんら、懐疑する知性にわずらわされないからである。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
みるとそこには見知らぬひとりの老人が若者をみつめてたたずんでいた。さぎのようにやせ、さぎのように気品のある老人であった。手には一管いっかんふえをたずさえていた。
おしどり (新字新仮名) / 新美南吉(著)