斎宮いつき)” の例文
オレガ駕籠カラ顔ヲ出シタラ、帯刀ガキモヲツブシテ、ドウシテ来タト云イオルカラ、ウチヘ行ッテくわシクはなソウトテ、帯刀ノ座敷ヘ通リテ、斎宮いつきヘモ逢ッタガ
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
越川斎宮いつきは次席家老でとしは四十歳、家中では毒舌家といわれているが、功兵衛には親切であり、彼がいまの役についたのも斎宮のつよい主張によるものであった。
醜聞 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
黄塵ばくばくの中に、豊原、斎宮いつきなどという町の家並が過ぎてゆく。伊勢らしい在所ざいしょ風景、どの家も、商家らしいのに、戸は昼もおろして、しんと眠っているような田舎町ばかり。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
帯刀たてわきヲ世話ヲシタコトヲ思イ出シタカラ、問屋ヘ行ッテ、雨ノ森ノ神主中村斎宮いつきマデ、水戸ノ御祈願ノコトデ行クカラ駕籠かごヲ出セトイウト、直グニ駕籠ヲ出シテクレタカラ、乗ッテ
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
……かれらの父は斎宮いつきといって、江戸家老を十二年も勤続した。きげんのいいときは中ぐらいはらを立てているような顔つきで、怒っているときはきげんのいいような顔になった、ということである。
思い違い物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
斎宮いつきヲ立ッテ、段々帰ルウチ、三島ノ宿しゅくデ甥ガ気絶シテ大騒ギヲヤッタガ、気ガツイテ、ソレカラ通シ駕籠デ江戸ヘ帰ッタガ、親父モ、兄モ、ナンニモ云ワヌ故、少シ安心シテウチヘ行ッタ、翌日
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
大槻おおつき斎宮いつき)どのからの書状でございます。
斎宮いつきはまだか、大槻はどこだ」
斎宮いつきにございます。