“つつま”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ツツマ
語句割合
33.3%
33.3%
7.4%
7.4%
倹約3.7%
可慎3.7%
3.7%
3.7%
謹慎3.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼女は、愛らしくつつましく従順貞淑な妻には違いない。が、趣味や思想の上では、自分の間に手の届かないように、広い/\へだたりが横わっている。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
恐れを知らず育てられた大貴族の郎女は、つつましく併しのどかに、御堂御堂を拝んで、岡の東塔に来たのである。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
女は俯向うつむいてじたる色あり、物のつつましげに微笑ほほえむ様子。
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
夜でも急用があるといえば、はばの広い木綿じまの前掛けをかけて、提灯ちょうちんをさげて、朴歯ほうばをならして、つつましやかに通ってきた。袋物商の娘だったので、袋ものをキチンとつくった。
一生懸命に倹約つつましくして、やっと手つかずに残して置いたいくらかの貯えも、もうあと二月とは保たないのだった。それで私は毎日就職口を探して歩いていたのである。
愛の為めに (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
おそれたるにもあらず、こうじたるにもあらねど、又全くさにあらざるにもあらざらん気色けしきにて貫一のかたちさへ可慎つつましげに黙して控へたるは、かかる所にこの人と共にとは思懸おもひかけざる為体ていたらく
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
また曩日いつかの樣に、今夜何處かに酒宴さかもりでもあるのかと考へて、お定はつつましやかに水潦みづたまりを避けながら、大工の家へ行つた。お八重は欣々いそ/\と迎へたが、何か四邊あたりはゞかる樣子で、そつと裏口へれて出た。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
加ふるに東雲しののめのむらさきと、夕映のくれなゐとは、波を彩り、いさごにうつり、もろもろの麗はしき自然の配色は恣に変幻するがごときも、しかもつつましくこれを渚の弧線の上に繋ぎて
松浦あがた (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)
身を入れて其話を聞いてゐた智恵子は、謹慎つつましいお利代の口振くちぶりの底に、此悲しきひとの心は今猶その先夫の梅次郎を慕つてゐる事を知つた。そして無理もないと思つた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)