“つつまし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
42.9%
可慎14.3%
倹約14.3%
慎謹14.3%
敬虔14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この一事のほかは人目をくべき点も無く、彼は多く語らず、又はさわがず、始終つつましくしてゐたり。終までこの両個ふたり同伴つれなりとは露顕せざりき。さあらんには余所々々よそよそしさに過ぎたればなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
かまへ可慎つつましう目立たぬに引易ひきかへて、木口きぐち撰択せんたくの至れるは、館の改築ありし折その旧材を拝領して用ゐたるなりとぞ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
案内せる附添のばばは戸口の外に立ちて請じ入れんとすれば、客はその老に似気なく、今更内の様子を心惑こころまどひせらるるていにて、彼にさへ可慎つつましう小声に言付けつつ名刺を渡せり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
若い頃から独りで倹約つつましく暮らして来たマッキンタイア教授は、俸給の貯蓄に退職手当が加わって、鳥渡した金額に達しているのである。
斧を持った夫人の像 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
いいえ。』と智恵子は慎謹つつましげに男の顔を見た。『学校に居りました頃からの同級会が、明後日大沢の温泉に開かれますので、それでアノ、盛岡のお友達をお誘ひする約束が御座いまして。』
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
静子の目には、兄と清子の間に遠慮が明瞭ありありと見えた。清子は始終敬虔つつましくしてゐたが、一度信吾と並んで坐つた時、いかにも極悪気きまりわるげであつた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)