“しまつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
始末54.1%
仕末14.4%
倹約8.1%
節約5.4%
節倹3.6%
仕舞3.6%
失敗3.6%
倹素0.9%
儉約0.9%
処置0.9%
四抹0.9%
姉妹0.9%
整理0.9%
来歴0.9%
結局0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「ふふん、すると、あの人造人間が、錠をあけで逃げだしたとみえる。はてな、最後にあの人造人間を、どう始末しまつしておいたかしら」
超人間X号 (新字新仮名) / 海野十三(著)
しかし、こういう身の中の持ちものを、せめて文章ででも仕末しまつしないうちは死に切れないと思った。机の前で、よよと楽しく泣きれた。
桃のある風景 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
奥様はそと御歓楽おたのしみをなさりたいにも、小諸は倹約しまつ質素じみな処で、お茶の先生は上田へ引越し、謡曲うたいの師匠はあめ菓子を売て歩き、見るものも聞くものもすくないのですから
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
種吉の留守には、お辰が天婦羅を揚げたが、お辰は存分に材料を節約しまつしたから、祭の日通り掛りに見て、種吉は肩身の狭い想いをし、鎧の下を汗が走った。
わが町 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
エリザベス時代のある英国人は紙が節倹しまつしたいからといつて、胡桃くるみからにしまはれる程の豆本に、新約全書そつくり書き込んだといふ事だ。
きくのおりき土方どかた手傳てつだひを情夫まぶつなどゝ考違かんちがへをされてもならない、それむかしのゆめがたりさ、なんいまわすれて仕舞しまつげんとも七ともおもされぬ
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
してゐると直ぐ傍へ来なければ分りません。さう云ふときこれは失敗しまつたと思ひまして周章て鎖を引きますがいつも半分程通つてからです。
マルクスの審判 (新字旧仮名) / 横光利一(著)
ある友人から巴里パリイ人は倹素しまつだから家庭へはひるのは不愉快だと聞かされて居たが、一概にうでも無ささうである。食事なども並の料理店レスタウランで食ふよりうまく、又何時いつも「充分セエタツセ」と断らねば成らぬ程潤沢だ。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
三和土たたきに水を撒いて柄のついた長いブラシで洗ふ。掃除がすんで一服する間もなく、そこにはもう何かかにか走り使ひが待つてゐる。儉約しまつな家で、ずゐぶん遠く使ひに出る時も交通費は出なかつた。
生活の探求 (旧字旧仮名) / 島木健作(著)
議員さんがたは、この事件ことをいっしょけんめいに相談しましたが、さて、男の子をどう処置しまつしていいか、見当けんとうがつきません。
空には今日も浮雲うきぐも四抹しまつ、五抹。そして流行着のマネキンを乗せたロンドンがよいの飛行機が悠長ゆうちょうに飛んで行く。
巴里の秋 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
彼等女匪は、城隍じょうこうの前で誓いを立て十姉妹しまつと自称し、年に由って老大ろうだいとか老二とかの称号をつけ、たがいに連絡を取って活動する。
同志なかまはすぐにも来てくれるようにと言うのだけれど今ここを外すことは出来ない、それに正軌倶楽部の方の整理しまつもつけて行かなけりゃあ困るのだから、早くとも来年の三月末ころにはなるだろうな
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)
わたくしも今少し逗留とうりゅうしていますと、いろいろお話もいたすのですが——今日はお告別わかれに私がこの書を読むようになりましたその来歴しまつをね、お話ししたいと思いますが。あなたお疲れはなさいませんか。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
ロミオ けふのこの惡運あくうん此儘このまゝではむまい。これはたゞ不幸ふしあはせ手始てはじめ、つゞく不幸ふかうこの結局しまつをせねばならぬ。