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仕末
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しまつ
ふりがな文庫
“
仕末
(
しまつ
)” の例文
「いいの。あたしは、きちんと
仕末
(
しまつ
)
いたします。はじめから覚悟していたことなのです。ほんとうに、もう。」変った声で
呟
(
つぶや
)
いたので
姥捨
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
しかし、こういう身の中の持ちものを、せめて文章ででも
仕末
(
しまつ
)
しないうちは死に切れないと思った。机の前で、よよと楽しく泣き
濡
(
ぬ
)
れた。
桃のある風景
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
馬鹿らしい
独言
(
ひとりごと
)
を云って机の上に
散
(
ち
)
らばった
原稿紙
(
かみ
)
や
古
(
ふる
)
ペンをながめて、誰か人が来て今の此の私の気持を
仕末
(
しまつ
)
をつけて呉れたらよかろうと思う。
秋風
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
巡査にそんな力は与へられてゐないので、二人は
仕末
(
しまつ
)
に困つて、ぶつ/\言ひながら引揚げたさうだ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「ウン、分っている。
併
(
しか
)
しマアうっちゃって置いて呉れ
給
(
たま
)
え。自分のことは自分で
仕末
(
しまつ
)
をつけるよ」
鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
洋行も口にはいいやすいが、いざこれを実行する段になると、多年住みふるした家屋の
仕末
(
しまつ
)
をはじめ、日々手に触れた家具や、
嗜読
(
しどく
)
の書をも売払わなければならない。
西瓜
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
上の方に
攀登
(
よじのぼ
)
るのに綱を頭上の巌にヒョイと投げかけ、それを足代に登りかけると上の巌が壊れて崩れかかるという
仕末
(
しまつ
)
で、その危険も一通りや二通りではありません
越中劍岳先登記
(新字新仮名)
/
柴崎芳太郎
(著)
父
(
とう
)
さんの
田舍
(
ゐなか
)
には『どうねき』などといふ
言葉
(
ことば
)
もあります。もう
仕末
(
しまつ
)
におへないやうな
人
(
ひと
)
のことを『どうねき』と
言
(
い
)
ひます。こんな
言葉
(
ことば
)
は
木曾
(
きそ
)
にだけ
有
(
あ
)
つて、
他
(
ほか
)
の
土地
(
とち
)
には
無
(
な
)
いのだらうかと
思
(
おも
)
ひます。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
あと
仕末
(
しまつ
)
はトヨ公が、いやな顔一つせず、ねんごろにしてくれました。それ以来、僕とトヨ公は、悲しい友人になりました。
女類
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
一
(
いっ
)
しょになって心配してやらねば不親切だといってヒガむし、そうかといって心配すればキリが
無
(
な
)
いし、
仕末
(
しまつ
)
に悪い。
良人教育十四種
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
それから、彼は物置部屋に引返して、梯子を上げ、石のふたと床板を元通りに直し、斎藤老人の死骸の
仕末
(
しまつ
)
をした。どんな風に仕末したかは、やがて間もなく分る時が来る。
吸血鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
郊外に隠棲している友人が或年の夏小包郵便に托して大きな西瓜を
一個
(
ひとつ
)
饋
(
おく
)
ってくれたことがあった。その
仕末
(
しまつ
)
にこまって、わたくしはこれを眺めながら覚えず口ずさんだのである。
西瓜
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
そして殆ど犯人をつき止めたのですが、ただ一つ死体の
仕末
(
しまつ
)
が分らないために、その筋に
申出
(
もうしい
)
でることを控えていた訳でした。それが今のお話しですっかり分った様な気がします
湖畔亭事件
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
仕末
(
しまつ
)
が悪いよ。とにかく、伊藤。先生のあとを追って行って、あやまって来てくれ。僕もこんどの君の恋愛には、ハラハラしていたんだが、しかし、出来たものは仕様が無えしなあ。
女類
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
口をついて出る、むかしの教師の名前、ことごとくが、匂いも味も色彩もなく、笠井さんは、ただ、聞いたような名前だなあ、誰だったかなあ、を、ぼんやり繰りかえしている
仕末
(
しまつ
)
であった。
八十八夜
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
しかし、不思議なのは、腕丈けなら人目につかぬ様に持帰る事も出来たでしょうが、京子さんの死骸……イヤ、死骸と極った訳ではないのですが……その京子さんの身体をどこへ
仕末
(
しまつ
)
したか。
恐怖王
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
仕末
(
しまつ
)
に困る。芭蕉も凡兆も、あとをつづけるのが、もう、いやになったろう。それとも知らず、去来ひとりは得意である。草取りから一転して、長き脇指があらわれた。着想の妙、仰天するばかりだ。
天狗
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
犯人達の顔さえはっきりは覚えていないという
仕末
(
しまつ
)
です
悪魔の紋章
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
仕
常用漢字
小3
部首:⼈
5画
末
常用漢字
小4
部首:⽊
5画
“仕”で始まる語句
仕
仕業
仕事
仕舞
仕度
仕方
仕合
仕出来
仕掛
仕様