“節倹(しまつ)” の例文
駿河台の老婦人は、あわれ玉の輿(こし)に乗らせたまうべき御身分なるに、腕車(くるま)に一人乗(のり)の軽々(かろがろ)しさ、これを節倹(しまつ)ゆえと思うは非なり。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
エリザベス時代のある英国人は紙が節倹(しまつ)したいからといつて、胡桃(くるみ)の殻(から)にしまはれる程の豆本に、新約全書そつくり書き込んだといふ事だ。
もしかキプリングの友達のやうに、郵税を節倹(しまつ)しなければならないとすると、「男爵」は捨ててしまつても、あの帽子だけは撰びたいものだ。
何故だらうとキプリングは小首を傾(かし)げたが、それが郵税の節倹(しまつ)からだと聞いて、文豪は蟹のやうにぶつぶつ憤(おこ)り出した。
かういふ風に文字を小さく書く工夫をすれば紙は幾らでも節倹(しまつ)出来るものだ。だが、それでは眼によくないといふかも知れないが、それは無論の事眼を傷(いた)める。
しかしこの場合眼などは何(ど)うでもよい、問題は紙を節倹(しまつ)する事が出来れば、それで、十分なのだ。
「そんなに郵税が節倹(しまつ)したかつたら、内容の方だけ引裂いて呉れればよかつたに。」
「今日(こんにち)はもう小包の四手紐(しでひも)を節倹(しまつ)するやうな時勢ぢやありませんからな。」
「かうなつちや、何でも節倹(しまつ)して置くに限る。」