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始末
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しまつ
ふりがな文庫
“
始末
(
しまつ
)” の例文
わたくし
儀
(
ぎ
)
、金がなければお
前様
(
まえさま
)
とも夫婦になれず、お前様の腹の子の
始末
(
しまつ
)
も出来ず、うき世がいやになり
候間
(
そうろうあいだ
)
、死んでしまいます。
温泉だより
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「ふふん、すると、あの人造人間が、錠をあけで逃げだしたとみえる。はてな、最後にあの人造人間を、どう
始末
(
しまつ
)
しておいたかしら」
超人間X号
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
いつでも半分位で
辛抱
(
しんぼう
)
してろくに茶を飲むことも出来ず水を呑んで居るという
始末
(
しまつ
)
。ですから赤い顔が青くなってだんだん
痩
(
や
)
せてしまう。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
せめて
家
(
いへ
)
の
人
(
ひと
)
に
逢
(
あ
)
つて、ものをいはうとしても、それさへ
取
(
と
)
り
合
(
あ
)
つてくれぬ
始末
(
しまつ
)
で、
人々
(
ひと/″\
)
はいよ/\
氣
(
き
)
を
揉
(
も
)
んで
騷
(
さわ
)
ぐのでした。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
玄関番
(
げんくわんばん
)
の
書生
(
しよせい
)
に
不作法
(
ぶさはふ
)
な
取扱
(
とりあつかひ
)
を
受
(
う
)
けると、
其処
(
そこ
)
の
主人迄
(
しゆじんまで
)
がいやになる。
著米
(
ちやくべい
)
早々
(
さう/\
)
の
此
(
こ
)
の
始末
(
しまつ
)
は、
少
(
すくな
)
からず
僕等
(
ぼくら
)
に
不快
(
ふくわい
)
を
与
(
あた
)
へた。(四月三日)
検疫と荷物検査
(新字旧仮名)
/
杉村楚人冠
(著)
▼ もっと見る
たぶんその思いが通じて、こんな
始末
(
しまつ
)
になったことなのでしょうから、とりもなおさず、私が殺したと同様なのでございます、というんだ。
顎十郎捕物帳:05 ねずみ
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
それゆえせめての
心
(
こころ
)
から、あたしがいつも
夢
(
ゆめ
)
に
見
(
み
)
るお
前
(
まえ
)
のお七を、
由斎
(
ゆうさい
)
さんに
仕上
(
しあ
)
げてもらって、ここまで
内緒
(
ないしょ
)
で
運
(
はこ
)
んだ
始末
(
しまつ
)
。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
勘次
(
かんじ
)
は
愈
(
いよ/\
)
傭
(
やと
)
はれて
行
(
ゆ
)
くとなつた
時
(
とき
)
收穫
(
とりいれ
)
を
急
(
いそ
)
いだ。
冬至
(
とうじ
)
が
近
(
ちか
)
づく
頃
(
ころ
)
には
田
(
た
)
はいふまでもなく
畑
(
はたけ
)
の
芋
(
いも
)
でも
大根
(
だいこ
)
でもそれぞれ
始末
(
しまつ
)
しなくてはならぬ。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
致して居しが
先
(
まづ
)
は
重疊
(
ちようでふ
)
左樣
(
さやう
)
御座らば立歸り
喜
(
よろこ
)
ばせし上又
改
(
あらた
)
めて出まする事に仕つれば
何分
(
なにぶん
)
宜敷
(
よろしく
)
お頼申すと
喜
(
よろこ
)
びを
演
(
のべ
)
別
(
わか
)
れを告
取散
(
とりちらせ
)
し辨當など
始末
(
しまつ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
唯
(
たゞ
)
少
(
すこ
)
し
遠慮勝
(
えんりよがち
)
なのと、
余
(
あま
)
り
多
(
おほ
)
く
口数
(
くちかず
)
を
利
(
き
)
かぬのが、
何
(
なん
)
となく
私
(
わたし
)
には
物足
(
ものた
)
りないので、
私
(
わたし
)
が
其
(
それ
)
であるから
尚更
(
なほさら
)
始末
(
しまつ
)
が
悪
(
わる
)
い。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
一応は
私
(
わし
)
が意見しますよ、若い
中
(
うち
)
は迷ふだけに
却
(
かへ
)
つて
始末
(
しまつ
)
のいゝものさ。
今夜
(
こんや
)
にでも
明日
(
あした
)
にでも
長吉
(
ちやうきち
)
に遊びに来るやうに
云
(
い
)
つて置きなさい。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
御米
(
およね
)
の
方
(
はう
)
から、
進
(
すゝ
)
んで
弟
(
おとうと
)
の
讒訴
(
ざんそ
)
でもする
樣
(
やう
)
だと、
叱
(
しか
)
るにしろ、
慰
(
なぐ
)
さめるにしろ、
却
(
かへ
)
つて
始末
(
しまつ
)
が
好
(
い
)
いと
考
(
かんが
)
へる
時
(
とき
)
もあつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
と、
僕
(
ぼく
)
早速
(
さつそく
)
呶鳴
(
どな
)
りはしたものの、口
邊
(
へん
)
には
微苦笑
(
びくせう
)
を
抑
(
おさ
)
へきれぬ
始末
(
しまつ
)
。
實
(
じつ
)
は二人の
對局振
(
たいきよくふり
)
を如何にも
評
(
へう
)
し得てゐるのだ。
下手の横好き:―将棋いろいろ―
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
甚麼話
(
どんなはなし
)
を
爲
(
す
)
るので
有
(
あ
)
らうか、
彼處
(
かしこ
)
へ
行
(
い
)
つても
處方書
(
しよはうがき
)
を
示
(
しめ
)
さぬでは
無
(
な
)
いかと、
彼方
(
あつち
)
でも、
此方
(
こつち
)
でも、
彼
(
かれ
)
が
近頃
(
ちかごろ
)
の
奇
(
き
)
なる
擧動
(
きよどう
)
の
評判
(
ひやうばん
)
で
持切
(
もちき
)
つてゐる
始末
(
しまつ
)
。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
この
金
(
かね
)
で
死後
(
しご
)
の
始末
(
しまつ
)
をしてもらい、
残
(
のこ
)
りは、どうか
自分
(
じぶん
)
と
同
(
おな
)
じような、
不幸
(
ふこう
)
な
孤独
(
こどく
)
な
人
(
ひと
)
のために
費
(
つか
)
ってもらいたい。
三月の空の下
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
けれどいくらいい
馬
(
うま
)
でも、
死
(
し
)
んだ
馬
(
うま
)
をかついでいくことはできないので、それには
下男
(
げなん
)
を
一人
(
ひとり
)
後
(
あと
)
に
残
(
のこ
)
して、
死
(
し
)
んだ
馬
(
うま
)
の
始末
(
しまつ
)
をさせることになりました。
一本のわら
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
右のごとき
始末
(
しまつ
)
にして、外国政府が日本の内乱に
乗
(
じょう
)
じ
兵力
(
へいりょく
)
を用いて
大
(
おおい
)
に
干渉
(
かんしょう
)
を試みんとするの
意志
(
いし
)
を
懐
(
いだ
)
きたるなど
到底
(
とうてい
)
思
(
おも
)
いも寄らざるところなれども
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
面白
(
おもしろ
)
げなる
顔色
(
がんしよく
)
の
千番
(
せんばん
)
に一番
捜
(
さが
)
すにも
兼合
(
かねあひ
)
と
申
(
もう
)
すやらの
始末
(
しまつ
)
なりしに
候
(
そろ
)
度々
(
たび/″\
)
の
実験
(
じつけん
)
なれば
理窟
(
りくつ
)
は
申
(
まう
)
さず、今も
然
(
しか
)
なるべくと
存候
(
ぞんじそろ
)
愈々
(
いよ/\
)
益々
(
ます/\
)
然
(
しか
)
なるべくと
存候
(
ぞんじそろ
)
。
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
倶
(
とも
)
に天を
戴
(
いただ
)
くを恥じとするとか極端の言葉を用い、あるいは某が某女性と関係したる
始末
(
しまつ
)
を
細々
(
こまごま
)
と記してある。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
単身
(
たんしん
)
去
(
さっ
)
てその跡を
隠
(
かく
)
すこともあらんには、世間の人も始めてその誠の
在
(
あ
)
るところを知りてその
清操
(
せいそう
)
に
服
(
ふく
)
し、旧政府
放解
(
ほうかい
)
の
始末
(
しまつ
)
も真に氏の功名に
帰
(
き
)
すると同時に
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
玉江嬢「私どもでも今年はトマトの苗を買って植えましたが沢山出来過ぎると
始末
(
しまつ
)
に
困
(
こま
)
りますね」お登和嬢
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
見
(
み
)
ると
煎餅
(
せんべい
)
のやうな
薄
(
うす
)
つぺらの
蒲団
(
ふとん
)
で
爪
(
つめ
)
で
引掻
(
ひつか
)
くとポロ/\
垢
(
あか
)
が
落
(
おち
)
る冷たさうな
蒲団
(
ふとん
)
の
上
(
うへ
)
に
転
(
ころ
)
がつて
居
(
ゐ
)
るが、
独身者
(
ひとりもの
)
だから
薬
(
くすり
)
一
服
(
ぷく
)
煎
(
せん
)
じて
飲
(
の
)
む事も
出来
(
でき
)
ない
始末
(
しまつ
)
、金
黄金餅
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
これからは
肝心
(
かんじん
)
の
飲食
(
のみくい
)
となるのだが、
新村入
(
しんむらいり
)
の彼は引越早々まだ荷も解かぬ
始末
(
しまつ
)
なので、
一座
(
いちざ
)
に挨拶し、勝手元に働いて居る若い人
達
(
だち
)
に
遠
(
とお
)
ながら目礼して引揚げた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
恁
(
か
)
うやつて、
奴凧
(
やつこだこ
)
が
足駄
(
あしだ
)
を
穿
(
は
)
いて
澁谷
(
しぶや
)
へ
落
(
お
)
ちたやうに、ふらついて
居
(
ゐ
)
るのも、
詰
(
つま
)
り
此
(
この
)
手紙
(
てがみ
)
のためで、……
其
(
それ
)
も
中
(
なか
)
の
文句
(
もんく
)
の
用
(
よう
)
ではありません——ふみがらの
始末
(
しまつ
)
なんです。
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
此方
(
こちら
)
も会ふのが
億劫
(
おくゝふ
)
で、いつか/\と思ひながら、今だに
着手
(
ちやくしゆ
)
もせずに
居
(
を
)
ると
云
(
い
)
ふ
始末
(
しまつ
)
です、
今日
(
こんにち
)
お話を
為
(
す
)
るのは
些
(
ほん
)
の
荒筋
(
あらすぢ
)
で、
年月
(
ねんげつ
)
などは
別
(
べつ
)
して
記憶
(
きおく
)
して
居
(
を
)
らんのですから
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
多
(
おほ
)
くでは
無
(
な
)
し
夫
(
そ
)
れだけで
此處
(
こゝ
)
の
始末
(
しまつ
)
がつくなれば、
理由
(
わけ
)
を
聞
(
き
)
いて
厭
(
い
)
やは
仰
(
おほ
)
せらるまじ、
夫
(
そ
)
れにつけても
首尾
(
しゆび
)
そこなうては
成
(
な
)
らねば、
今日
(
けふ
)
は
私
(
わたし
)
は
歸
(
かへ
)
ります、
又
(
また
)
の
宿下
(
やどさが
)
りは
春永
(
はるなが
)
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
此上は佛の
始末
(
しまつ
)
をして、お寺に屆ける外はありませんが、女の手一つでは、それもむづかしいらしく、投込み
葬
(
とむら
)
ひをするにしても、人手がなければどうすることも出來ません。
銭形平次捕物控:303 娘の守袋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「さあ、犬とさるを
連
(
つ
)
れて出て行ってくれ。親方の荷物は
預
(
あず
)
かっておく。親方が
刑務所
(
けいむしょ
)
から出て来れば、いずれここへ
寄
(
よ
)
るだろうし、そのときこちらの
始末
(
しまつ
)
もつけてもらおう」
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
平助は正覚坊の背中を
撫
(
な
)
でながら、さてその
始末
(
しまつ
)
に困りました。家に置いておけば、自分が
漁
(
りょう
)
に出た
不在中
(
るす
)
に、村のいたずら
小僧
(
こぞう
)
どもからどんな目にあわされるかわかりません。
正覚坊
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
頃日
(
けいじつ
)
脱稿
(
だっこう
)
の三十年史は、
近時
(
きんじ
)
およそ三十年間、我
外交
(
がいこう
)
の
始末
(
しまつ
)
につき世間に
伝
(
つた
)
うるところ
徃々
(
おうおう
)
誤謬
(
ごびゅう
)
多きを
憂
(
うれ
)
い、先生が旧幕府の時代より
身
(
み
)
躬
(
みず
)
から
耳聞
(
じぶん
)
目撃
(
もくげき
)
して筆記に
存
(
そん
)
するものを
瘠我慢の説:05 福沢先生を憶う
(新字新仮名)
/
木村芥舟
(著)
陪審官等
(
ばいしんくわんら
)
は
些
(
や
)
や
身體
(
からだ
)
の
顫
(
ふる
)
えが
止
(
とま
)
るや
否
(
いな
)
や、
再
(
ふたゝ
)
び
石盤
(
せきばん
)
と
鉛筆
(
えんぴつ
)
とを
渡
(
わた
)
されたので、
皆
(
みん
)
な一
心
(
しん
)
に
事
(
こと
)
の
始末
(
しまつ
)
を
書
(
か
)
き
出
(
だ
)
しました、
獨
(
ひと
)
り
蜥蜴
(
とかげ
)
のみは
其口
(
そのくち
)
を
開
(
あ
)
いたまゝ、
徒
(
いたづ
)
らに
法廷
(
はふてい
)
の
屋根
(
やね
)
を
見上
(
みあ
)
げて
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
儀一
(
ぎいち
)
はあのとおりものにならない。あとはきさまひとりをたよりに思ってれば、この
始末
(
しまつ
)
だ、
警察
(
けいさつ
)
からまで、きさまのためには
注意
(
ちゅうい
)
を
受
(
う
)
けてる。
夜遊
(
よあそ
)
びといえばなにほどいってもやめない。
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
『これは/\。
如何
(
どう
)
もマツチを
忘
(
わす
)
れたといふやつは
始末
(
しまつ
)
にいかんもので。』
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
怪
(
あやし
)
の
船
(
ふね
)
の
双眼鏡
(
さうがんきやう
)
一件
(
いつけん
)
、
印度洋上
(
インドやうじやう
)
の
大遭難
(
だいさうなん
)
の
始末
(
しまつ
)
、
其時
(
そのとき
)
春枝夫人
(
はるえふじん
)
の
殊勝
(
けなげ
)
なる
振舞
(
ふるまひ
)
、さては
吾等
(
われら
)
三人
(
みたり
)
が
同時
(
どうじ
)
に、
弦月丸
(
げんげつまる
)
の
甲板
(
かんぱん
)
から
海中
(
かいちう
)
に
飛込
(
とびこ
)
んだのに
拘
(
かゝは
)
らず、
春枝夫人
(
はるえふじん
)
のみは
行方
(
ゆくかた
)
知
(
し
)
れずなつた
事
(
こと
)
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
それであたりはミルクだらけという
始末
(
しまつ
)
。おかみさんが
思
(
おも
)
わず
手
(
て
)
を
叩
(
たた
)
くと、それはなおびっくりして、
今度
(
こんど
)
はバタの
桶
(
おけ
)
やら
粉桶
(
こなおけ
)
やらに
脚
(
あし
)
を
突
(
つ
)
っ
込
(
こ
)
んで、また
匐
(
は
)
い
出
(
だ
)
しました。さあ
大変
(
たいへん
)
な
騒
(
さわ
)
ぎです。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
きいきいごえで けされる
始末
(
しまつ
)
。
魔法の笛
(新字新仮名)
/
ロバート・ブラウニング
(著)
忠明
(
ただあき
)
発狂
(
はっきょう
)
始末
(
しまつ
)
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「まあ、ざっとこう言う
始末
(
しまつ
)
なの。——ああ、それから姉さんにわたしから手紙を上げたことね、あのことは大村にも話して置いたの。」
春
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
いや、新機を補充しなくなったばかりか、これまで敵国が保有していた軍用機も、最近一年は、
壊
(
こわ
)
れ放題にしてある
始末
(
しまつ
)
である。
今昔ばなし抱合兵団:――金博士シリーズ・4――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
東隣
(
ひがしどなり
)
の
主人
(
しゆじん
)
の
庭
(
には
)
には
此
(
こ
)
の
日
(
ひ
)
も
村落
(
むら
)
の
者
(
もの
)
が
大勢
(
おほぜい
)
集
(
あつ
)
まつて
大
(
おほ
)
きな
燒趾
(
やけあと
)
の
始末
(
しまつ
)
に
忙殺
(
ばうさつ
)
された。それで
其
(
その
)
人々
(
ひと/″\
)
は
勘次
(
かんじ
)
の
庭
(
には
)
に
手
(
て
)
を
藉
(
か
)
さうとはしなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
その時宿主らの連れて居る猟犬は
兎狩
(
うさぎがり
)
に行って兎を喰殺して帰って来るという
始末
(
しまつ
)
で大変に
殺伐
(
さつばつ
)
な光景が現われて来た。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
道子
(
みちこ
)
は
其辺
(
そのへん
)
のアパートをさがして
一人暮
(
ひとりぐら
)
しをすることになつたが、
郵便局
(
いうびんきよく
)
の
貯金
(
ちよきん
)
はあらかた
使
(
つか
)
はれてしまひ、
着物
(
きもの
)
まで
満足
(
まんぞく
)
には
残
(
のこ
)
つてゐない
始末
(
しまつ
)
に
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
どんな
話
(
はなし
)
をするのであろうか、
彼処
(
かしこ
)
へ
行
(
い
)
っても
処方書
(
しょほうがき
)
を
示
(
しめ
)
さぬでは
無
(
な
)
いかと、
彼方
(
あっち
)
でも、
此方
(
こっち
)
でも、
彼
(
かれ
)
が
近頃
(
ちかごろ
)
の
奇
(
き
)
なる
挙動
(
きょどう
)
の
評判
(
ひょうばん
)
で
持切
(
もちき
)
っている
始末
(
しまつ
)
。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
改
(
あらた
)
め見るに我が
居間
(
ゐま
)
の
縁
(
えん
)
の下より怪き
箱
(
はこ
)
を
探
(
さが
)
し出し
蓋
(
ふた
)
を
明
(
あけ
)
けるに
己
(
おのれ
)
を
呪
(
のろ
)
ふ
人形
(
ひとがた
)
なれば大いに怒り夫より
呪咀
(
しゆそ
)
の
始末
(
しまつ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
彼
(
かれ
)
は
兄
(
あに
)
の
家
(
いへ
)
に
厄介
(
やくかい
)
になりながら、もう
少
(
すこ
)
し
立
(
た
)
てば
都合
(
つがふ
)
が
付
(
つ
)
くだらうと
慰
(
なぐさ
)
めた
安之助
(
やすのすけ
)
の
言葉
(
ことば
)
を
信
(
しん
)
じて、
學校
(
がくかう
)
は
表向
(
おもてむき
)
休學
(
きうがく
)
の
體
(
てい
)
にして
一時
(
いちじ
)
の
始末
(
しまつ
)
をつけたのである。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
ちっとも
速
(
はや
)
く
返事
(
へんじ
)
が
聞
(
き
)
き
度
(
た
)
くて、
帳場格子
(
ちょうばこうし
)
と二
階
(
かい
)
の
間
(
あいだ
)
を、九十九
度
(
ど
)
も
通
(
かよ
)
った
挙句
(
あげく
)
、とうとう
辛抱
(
しんぼう
)
が
出来
(
でき
)
なくなったばっかりに、ここまで
出向
(
でむ
)
いて
来
(
き
)
た
始末
(
しまつ
)
さ。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
彼
(
かれ
)
は、
費
(
つか
)
い
残
(
のこ
)
りのしょうゆや、みそや、
酒
(
さけ
)
や、お
菓子
(
かし
)
などの
始末
(
しまつ
)
もつけなければならぬと
思
(
おも
)
っていました。
深山の秋
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「それはお
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
ですね。では
馬
(
うま
)
はわたしが
引
(
ひ
)
き
受
(
う
)
けて、
何
(
なん
)
とか
始末
(
しまつ
)
して
上
(
あ
)
げますから、わたしにゆずって
下
(
くだ
)
さいませんか。その
代
(
か
)
わりにこれを
上
(
あ
)
げましょう。」
一本のわら
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
然
(
しか
)
り
而
(
しこう
)
して幕府解散の
始末
(
しまつ
)
は内国の事に相違なしといえども、
自
(
おのず
)
から一例を作りたるものというべし。
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
なにしろ会場における
不満連
(
ふまんれん
)
の総大将
兼
(
けん
)
黒幕
(
くろまく
)
としてはルーズヴェルト氏
自
(
みずか
)
ら
采配
(
さいはい
)
を取っているという
始末
(
しまつ
)
であるから、我々の考えでは
珍事
(
ちんじ
)
なしには終らぬと
気遣
(
きづか
)
ったのも
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
始
常用漢字
小3
部首:⼥
8画
末
常用漢字
小4
部首:⽊
5画
“始末”で始まる語句
始末屋
始末柄
始末気
始末等
始末道具