“つつし”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ツツシ
語句割合
55.3%
33.5%
3.5%
2.4%
1.8%
1.2%
0.6%
0.6%
0.6%
0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「解りませんよ。——それとも本郷は暗剣殺あんけんさつに当るかな——この方角はよろずの事悪し、火難盗難つつしむべし——と三世相に書いてある」
銭形平次捕物控:124 唖娘 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
咽喉の病もえ、胃の苦しみも去った今の余は、つつしんで殿下に御礼を申上げなければならない。また殿下の健康を祈らなければならない。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
吾人ごじんは吉凶共に、天地万有の天朝の恢復かいふくたすけ、しかし胡虜こりょを滅絶する所の真の命令を待つ。吾人はつつしんで天帝地皇、山河上穀の霊、六悪の霊、五方の五竜の霊、及び無辺際むへんさいの全神霊を拝す。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
(五) 子曰く、千乗の国をおさ(治)むるには、事をつつしんでまことあり、用を節して人を愛し、民を使うに時をもってせよ。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
然し、思ひの外滑なめらかなことばの運びと、引き續いてゐたみんなのつつしみの念が、そのすきを探る餘裕を與へなかつた。
猫又先生 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
動きなき下津盤根しもついわねの太柱と式にて唱うる古歌さえも、何とはなしにつくづく嬉しく、身を立つる世のためしぞとその下の句を吟ずるにも莞爾にこにこしつつ二たびし、壇に向うて礼拝つつし
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
けだし陛下の心に非ず、実に奸臣のす所ならん。心なおいまだ足らずとし、又以て臣に加う。臣はんを燕に守ること二十余年、つつしおそれて小心にし、法を奉じぶんしたがう。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
七に曰く、偸盗とうとうするなかれ。およそ人の財物をやぶり不公平のことをつつしむ。八に曰く、妄証ぼうしょうするなかれ。およそ人の声名をそしり、ならびに人をいつわるなどを禁ず。九に曰く、他人の妻を願うなかれ。
教門論疑問 (新字新仮名) / 柏原孝章(著)
阿英はつつしみ深くて、身をきちんとしていた。そしてものをいうには、あまえるようなやわらかな言葉づかいをした。その阿英は嫂に母のようにつかえた。あによめもまた阿英をひどく可愛がった。
阿英 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
世上むしろ此の宰相有らんや。内外駭訛がいか、人情洶々きょうきょう、若し急に斧※ふしつの誅を加えずんば、勢必ず操莽そうぼうの禍を醸成せん。臣夙夜しんしゅくやつつしみ懼れ、敢て寧処ねいしょせず。死を冒して列款れつかんし、仰いで宸聴しんちょうに達す。
続黄梁 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)