“つゝま”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
57.1%
14.3%
14.3%
14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
身を入れて其話を聞いてゐた智惠子は、つゝましいお利代の口振りの底に、此悲しい女の心は今猶その先夫の梅次郎を慕つてゐる事を知つた。そして無理もないと思つた。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
我家へ連行つれゆきつ何で喧嘩けんくわをなされたと問ばお光は面はゆに物あらそひせしわけならず二個ふたり泪をこぼしてゐたるは斯樣々々の次第なりと婚姻破談はだんに成し事をつゝまず告ればお金は驚きあれ程までに手を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
締殺しめころせし覺え毫程つゆほども御座なく候何卒私しの心底しんてい御察し下され度願上候と仔細しさいつゝまず思ひ込で申立ければ越前守殿點頭うなづかれ諏訪町の家主其外長屋の者に向はれ只今たゞいま菊が申立し通りなるかと尋ねらるゝに家主いへぬしはじめ皆々恐る/\進み出只今菊が申上候通り常々かれが孝行なることは長屋一統感心致し居候然るを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
古い文明国だけにすべてが寂びて居る。市街も人間も何だか疲れて居て活気に乏しい。男は皆水夫上りの様な田舎ゐなかびた印象を与へるし、女は皆尼さんの様なつゝましやかさと寂しさとを持つて居る。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
恐れを知らず育てられた大貴族の郎女は、つゝましく併しのどかに、御堂々々の御仏を礼んで、東塔の岡に来たのであつた。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)