つゝま)” の例文
新字:
他の人達のゐる處では私は以前の通りつゝましやかにおとなしくしてゐた。變つた仕打が必要でなかつたからである。
身を入れて其話を聞いてゐた智惠子は、つゝましいお利代の口振りの底に、此悲しい女の心は今猶その先夫の梅次郎を慕つてゐる事を知つた。そして無理もないと思つた。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
五十前後の内儀おぬひは、主人彦太郎の後ろからつゝましく顏を出しました。
豈夫まさか! 信吾さんたら眞箇ほんとに人が惡い。』と何故か富江は少しつゝましくしてゐる。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
茂野はつゝましく默禮して、自宅の方へ引返しました。