つつし)” の例文
さう呟きながら、いれずみをした老爺や老婆達が、哀しげにつつしみ深く、赤ん坊を禮拜したといふ。
吾人ごじんは吉凶共に、天地万有の天朝の恢復かいふくたすけ、しかし胡虜こりょを滅絶する所の真の命令を待つ。吾人はつつしんで天帝地皇、山河上穀の霊、六悪の霊、五方の五竜の霊、及び無辺際むへんさいの全神霊を拝す。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
黒いかつぎをしたカトリック風のあまさんが、まん円な緑のひとみを、じっとまっすぐに落して、まだ何かことばか声かが、そっちから伝わって来るのを、つつしんで聞いているというように見えました。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
つつしみて身を置き換へんため
最初の者が苦しみをめたように、最後の者もまたどんなにか苦しみを嘗めねばならぬであろう。そうつぶやきながら、いれずみをした老爺や老婆たちが、哀しげにつつしみ深く、赤ん坊を礼拝したという。
つつしんで聞いているというように見えました。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)