“きじん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:キジン
語句割合
鬼神50.0%
畸人20.0%
貴人12.9%
奇人7.1%
杞人2.9%
奇刃1.4%
奇陣1.4%
旗陣1.4%
木甚1.4%
黄塵1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
昔は煙客翁がいくら苦心をしても、この図を再びることは、鬼神きじんにくむのかと思うくらい、ことごとく失敗に終りました。
秋山図 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
畸人きじんだが学問はなか/\あるらしい。同治年間の進士だといふから張之洞ちやうしどう趙爾巽てうじそんや陳宝琛を知つてゐる訳だ。
南京六月祭 (新字旧仮名) / 犬養健(著)
中にはさんでいく一ちょう鎖駕籠くさりかごは——まさしく、桑名くわな羽柴秀吉はしばひでよしへおくらんとする貴人きじん僧形そうぎょう武田勝頼たけだかつより幽囚ゆうしゅうされているものと見られる。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
雲飛うんぴといふ人は盆石ぼんせきを非常に愛翫あいぐわんした奇人きじんで、人々から石狂者いしきちがひと言はれて居たが、人が何と言はうと一さい頓着とんぢやくせず、めづらしい石の搜索さうさくにのみ日を送つて居た。
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
杞人きじんうれいですか?」
村の成功者 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
ついにおさまっていれば何事もないが、つがいを離れたが最後、絶えず人血を欲してやまないのが奇刃きじん乾雲である。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
ござります——それは裾野すそのよりご帰参の上部かんべどのが、一月ひとつきあまりお屋敷にこもって、苦心のすえ作戦された、秀吉ひでよし袋攻ふくろぜめの奇陣きじん、必勝の布陣ふじん、軍旅の用意にいたるまで
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
けれど、味方をよび集めるための旗陣きじんと貝の音は、かえって敵を求めてしまった。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ことに江戸で有名な顔役の木甚きじんが太夫元なのだし、それに、日本橋の磯五が力こぶを入れている。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
息子の小次郎直家は、沢潟おもだかを濃く摺りこんだ直垂に、ふしなわ目の鎧を着こみ、西楼せいろうという白葦毛に乗った。旗差しの侍は、黄塵きじんの直垂、小桜を黄に染めた鎧、黄河原毛きかわらげの馬に乗った。