“征矢”の読み方と例文
読み方割合
そや100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
繁った枝葉を巧みに縫い棹はあたかも征矢そやのように梢遥かにして行ったが、落ちて来た時にはその先に山鳩を黐でつなぎ止めていた。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
崩れた体勢をそのまま一転、足を変えるが早いか、寺の土塀と渓流のながれに沿って下町のほうへ征矢そやのごとく逃げ去ってしまった。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
無数の征矢そやは煙りを目がけて飛んだ。女は下界げかいをみおろして冷笑あざわらうように、高く高く宙を舞って行った。千枝松はおそろしかった。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)