“そや”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
征矢73.6%
粗野9.2%
征箭3.4%
3.4%
麁野2.3%
初夜1.1%
征欠1.1%
1.1%
狙矢1.1%
疎野1.1%
1.1%
麤野1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
崩れた体勢をそのまま一転、足を変えるが早いか、寺の土塀と渓流のながれに沿って下町のほうへ征矢そやのごとく逃げ去ってしまった。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「何ですつて、私に?」と私は彼の熱心さに——特に彼の粗野そやな容子に——彼の眞實さを信じ始めながら、叫んだ。
「昔の歌に、武夫もののふ手向たむけ征箭そやも跡ふりて神寂かみさび立てる杉の一もと、とあるのはこの杉だ」
からつきりんなそでのぺら/\した、おそろしいながものまくあげるのだからね、うなれば來年らいねんから横町よこちやうおもてのこらずおまへ手下てしただよとそやすに、してれ二せんもらふと長吉ちやうきちくみるだらう
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
一つにはこれによって己らの麁野そやなる生活状態に研きをかけたいという希望も添うのである。
おとろへおとなふ初夜そやの恨みあらむ。
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
もし白昼にまなこを正しく開くならば、その日天子の黄金の征欠そやたれるぢゃ。それほどまでに我等は悪業あくごふの身ぢゃ。又人及諸の強鳥を恐る。な。
二十六夜 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
さるはひとり夫のみならず、本家の両親をはじめ親属知辺しるべに至るまで一般に彼の病身をあはれみて、おとなしき嫁よとそやさぬはあらず。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「いつか一ノ関で狩をしたとき、家従の射た流れ矢が身辺をかすったらしい、すると兵部は狙矢そやだと思った、まったくそう信じたようで、半日あまりも曲者くせものの捜索をさせた」
さては世間の妾をること、かくまでに誤れるにや、それとも心付かずしてあくまでも男子をしのがんとする驕慢きょうまん疎野そやの女よと指弾つまはじきせらるることの面目なさよ。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
斑紋ふもん美しき鷹の羽のそやをつがへば、よろこびにわが弦は鳴らん、猟人よ。
色の黒い麤野そやな顔をした田舎武士は、安政乙卯の年十月二日の午後十時、かの有名な安政の大地震に逢って、母を救い出そうとして家の中へ入ったところで、家が潰れて圧死した。
死体の匂い (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)