征箭そや)” の例文
白馬は疎林そりんの細道を西北へ向ってまっしぐらに駆けて行った。秋風に舞う木の葉は、鞍上の劉備りゅうび芙蓉ふようの影を、征箭そやのようにかすめた。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「昔の歌に、武夫もののふ手向たむけ征箭そやも跡ふりて神寂かみさび立てる杉の一もと、とあるのはこの杉だ」
征箭そやよ。我を貫け。
びらっと、色羽の征箭そやが飛んだと見えたのは、水を離れた翡翠かわせみだった。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)