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貴
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たつ
たゞ平岡と事を決する前は、
麺麭の
為に働らく事を
肯はぬ心を持つてゐたから、
嫂の
贈物が、
此際糧食としてことに彼には
貴とかつた。
藏の
中から
大事さうに
取り
出して
來たと
云ふ
所作を
付け
加へて
考へると、
自分が
持つてゐた
時よりは
慥に十
倍以上貴とい
品の
樣に
眺められた
丈であつた。
彼は
自分で
學校生活をしてゐるにも
拘はらず、
兄の
日曜が、
如何に
兄にとつて
貴といかを
會得出來なかつた。