トップ
>
洞
>
うろ
ふりがな文庫
“
洞
(
うろ
)” の例文
わたしの近所には木の
洞
(
うろ
)
に住んでいる人間がいた。彼の態度は真に王者のふうがあった。わたしはむしろ彼をおとずれた方がよかった。
森の生活――ウォールデン――:02 森の生活――ウォールデン――
(新字新仮名)
/
ヘンリー・デイビッド・ソロー
(著)
元来、景時は平家系の人間だが、石橋山で頼朝が惨敗し、大木の
洞
(
うろ
)
に隠れていたのを、彼が知りながら
見遁
(
みのが
)
してやったため、後に、鎌倉へ召されて重用された人物である。
随筆 新平家
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
用意
(
ようい
)
了
(
をは
)
れば
直
(
たゞ
)
ちに
走
(
はし
)
りて、
一本榎
(
いつぽんえのき
)
の
洞
(
うろ
)
より
數十條
(
すうじふでう
)
の
蛇
(
くちなは
)
を
捕
(
とら
)
へ
來
(
きた
)
り、
投込
(
なげこ
)
むと
同時
(
どうじ
)
に
目
(
め
)
の
緻密
(
こまか
)
なる
笊
(
ざる
)
を
蓋
(
おほ
)
ひ、
上
(
うへ
)
には
犇
(
ひし
)
と
大石
(
たいせき
)
を
置
(
お
)
き、
枯草
(
こさう
)
を
燻
(
ふす
)
べて、
下
(
した
)
より
爆※
(
ぱツ/\
)
と
火
(
ひ
)
を
焚
(
た
)
けば
蛇くひ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
門際の八重桜は、幹の半面に、太郎が隠れることが出来るほどの
洞
(
うろ
)
をもつた老樹で、どこに花が咲くかとおもはれる枯木なのだが、季節になるとやはり水々しい花を開いた。
サクラの花びら
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
牝牡
(
めすをす
)
同
(
おなじ
)
く
穴
(
あな
)
に
蟄
(
こも
)
らず、
牝
(
めす
)
の子あるは子とおなじくこもる。其
蔵蟄
(
あなごもり
)
する所は大木の
雪頽
(
なだれ
)
に
倒
(
たふ
)
れて
朽
(
くち
)
たる
洞
(
うろ
)
(なだれの事下にしるす)又は
岩間
(
いはのあひ
)
土穴
(
つちあな
)
、かれが心に
随
(
したがつ
)
て
居
(
を
)
る処さだめがたし。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
▼ もっと見る
駭
(
おどろ
)
くべき壮大なる石の屏風がそそり立って、側面の岩石は亀甲形に分裂し、背は
庖刀
(
ほうちょう
)
の如く薄く、岩と岩とは鋭く截ち割られて、しかも手をかけると、虫歯の
洞
(
うろ
)
のようにポロポロと欠けるので
谷より峰へ峰より谷へ
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
小笠原嶋
荒磯
(
ありそ
)
の
洞
(
うろ
)
に寄る波のゆたのたゆたに日の永きかも
雀の卵
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
匂
(
にほ
)
ひ
香
(
か
)
なきにうらびれて、
一日
(
ひとひ
)
は
洞
(
うろ
)
に
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
朽木の
洞
(
うろ
)
に隱れたる
花守
(旧字旧仮名)
/
横瀬夜雨
(著)
わたしは、これらの鳥は白人がこの地にやってくる前に木の
洞
(
うろ
)
に住んでいた特別な古い種族なのだと想像した。ほとんどこの土地でも亀と蛙はこの季節の先駆者であり伝令である。
森の生活――ウォールデン――:02 森の生活――ウォールデン――
(新字新仮名)
/
ヘンリー・デイビッド・ソロー
(著)
すると、裏店の
井
(
いど
)
のわきに
聳
(
そび
)
えている大きな
欅
(
けやき
)
の
木
(
き
)
の
洞
(
うろ
)
から
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
匂ひ
香
(
か
)
なきにうらびれて、
一日
(
ひとひ
)
は
洞
(
うろ
)
に
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
洞
常用漢字
中学
部首:⽔
9画
“洞”を含む語句
空洞
洞窟
洞察
洞穴
大洞
洞然
洞簫
洞中
曹洞宗
仙洞御所
洞声
洞道
洞院
西洞院
洞察力
洞庭
洞門
洞庭湖
東洞院
琅玕洞
...