ほらあな)” の例文
美女達はその手を取ってほらあなの中へ入ったが、歓び笑う声が一頻ひとしきり聞えてきた。紇は巌の陰で合図のあるのを待っていた。と、美女の一人が出てきて
美女を盗む鬼神 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
小稻こいなといふ處を通つた時、海から舟で通ふほらあながあつた。こゝへ見物に來た男が、細君だけ置いて、五百圓懷中ふところに入れたまゝ舟から落ちたといふ。是は往きに聞いた話だ。
伊豆の旅 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)