くさ)” の例文
「さうだことつたつておめえ、以前めえかたから他人ひとのことつたこともねえくせに」そばから服裝みなりばあさんがくさしていつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
仏蘭西の監獄が不整頓ふせいとんで不潔で、囚人の食事が粗悪で分量が少く、どの点から見ても日本の監獄以下であるという事や、何くれとなく仏蘭西をくさした話ばかりした。
最後の大杉 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
あとからまたいろいろ若いものに冷かされた。細君までいっしょになって夫をくさした末、高浜さんが鼓を御打ちなさる時、襦袢じゅばんそでがぴらぴら見えたが、大変好い色だったとめている。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)