懐疑うたがい)” の例文
旧字:懷疑
あの光と、熱と、夢のない眠より外に願わしいことも無くなってしまったような懐疑うたがいの底の方へ。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
その寂寞せきばくやぶる、跫音あしおとが高いので、夜更よふけ里人さとびと懐疑うたがいを受けはしないかという懸念から、たれとがめはせぬのに、抜足ぬきあし差足さしあし、音は立てまいと思うほど、なお下駄げたひびきが胸を打って、耳をつらぬく。
星あかり (新字新仮名) / 泉鏡花(著)