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むかしがた
彼は、
戸を
開けて
戸口に
出ると、
青ざめた
星晴れのした
空は、
忘れていた、なつかしい
幼い
日の
物語をしてくれますので、しばらくその
昔語りにききとれて、じっと
目をみはっていると、
遠くで
然るべく
床几に
腰を
降ろした
主従三
人は、それからそれへと
際限もなく
水入らずの
昔語りに
耽りましたが、
何にしろ
現世から
幽界へかけての
長い
歳月の
間に、
積り
積った
話の
種でございますから