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脱
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だっ
ふりがな文庫
“
脱
(
だっ
)” の例文
だが、般若丸の名刀が、
鞘
(
さや
)
を
脱
(
だっ
)
しようとしたしゅんかんに、はッと気がついたのは(
血
(
ち
)
を見るなかれ)という
御岳
(
みたけ
)
三日
(
みっか
)
の
神誓
(
ちかい
)
である。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
このせつない
覊絆
(
きはん
)
を
脱
(
だっ
)
して、すこしでもかってなことをやるとなったらば、人間の
仲間
(
なかま
)
入りもできない
罪悪者
(
ざいあくしゃ
)
とならねばならぬ。
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
と女が叫んだ刹那、忠相はヒラリと大作の守護を
脱
(
だっ
)
して、あれよという間に、通りみちにまごつく善ちゃんを抱きかかえて向う側へ飛びこんだ。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
飛衛の方では、また、危機を
脱
(
だっ
)
し得た
安堵
(
あんど
)
と己が
伎倆
(
ぎりょう
)
についての満足とが、敵に対する
憎
(
にく
)
しみをすっかり忘れさせた。
名人伝
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
下等士族の
輩
(
はい
)
が、数年以来教育に心を
用
(
もちう
)
るといえども、その教育は
悉皆
(
しっかい
)
上等士族の風を
真似
(
まね
)
たるものなれば、もとよりその
範囲
(
はんい
)
を
脱
(
だっ
)
すること
能
(
あた
)
わず。
旧藩情
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
▼ もっと見る
先年もある青年が婦人の
誘惑
(
ゆうわく
)
に
陥
(
おちい
)
らんとしたとき、かねて聞いていたことは「ここだな」と思い、ついに危険を
脱
(
だっ
)
したということを手紙で通知してきた。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
艀
(
はしけ
)
は
鎖
(
くさり
)
を
解
(
と
)
きて本船と別るる時、乗客は再び
観音丸
(
かんのんまる
)
と船長との万歳を
唱
(
とな
)
えぬ。
甲板
(
デッキ
)
に立てる船長は
帽
(
ぼう
)
を
脱
(
だっ
)
して、満面に
微笑
(
えみ
)
を
湛
(
たた
)
えつつ答礼せり。
艀
(
はしけ
)
は
漕出
(
こぎいだ
)
したり。
取舵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
このままでは、地球の
引力圏
(
いんりょくけん
)
を
脱
(
だっ
)
して、月の世界へ飛んで行かないとも保証はできない。
超人間X号
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
その点で、君らは精神的にはまだ
奴隷
(
どれい
)
の域を一歩も
脱
(
だっ
)
していないということを証明している。いや、それどころか、君らはよりいっそうみじめな奴隷になることを希望しているとさえ私には思える。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
一時の
奇貨
(
きか
)
も永日の
正貨
(
せいか
)
に変化し、旧幕府の旧風を
脱
(
だっ
)
して新政府の新
貴顕
(
きけん
)
と
為
(
な
)
り、
愉快
(
ゆかい
)
に世を渡りて、かつて
怪
(
あや
)
しむ者なきこそ古来
未曾有
(
みぞう
)
の
奇相
(
きそう
)
なれ。
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
各自の職務には
分限
(
ぶんげん
)
があって、その
範囲
(
はんい
)
を
脱
(
だっ
)
するをゆるさぬ、すなわち厳格なる境界を越えてはならぬ。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
赤坂を
脱
(
だっ
)
して、みずからここへ捕われて来た
御子
(
みこ
)
の
尊良
(
たかなが
)
やら、宗良親王やら、ほかの
囚
(
とら
)
われ公卿も、たくさんおなじ
棟
(
むね
)
にいたのであったものを、それも鎌倉の幕令で
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
脱
(
だっ
)
して、足利将軍のお手につき、為に、新田義貞は、大敗して都へ逃げくずれたと聞きまする……
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
たまには誰が
告
(
つ
)
げるとはなしに、ふと心に
有難味
(
ありがたみ
)
を覚えて、ほとんど相手知らずに
帽
(
ぼう
)
を
脱
(
だっ
)
し、
跪
(
ひざまず
)
いて、有難さに、涙に
咽
(
むせ
)
ぶこともある。誰しも必ずこの経験があるだろう。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
みなバタバタと討死をとげ、彼自身も重傷を負って、からくも危地を
脱
(
だっ
)
しえたほどだった。
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
秀吉を
観
(
み
)
るに、今は、家康でさえこう思意せずにいられないのに——佐々成政のごとき、単純なる一
介
(
かい
)
の
武弁
(
ぶべん
)
が、北陸の一隅などから、
旧殻
(
きゅうかく
)
を
脱
(
だっ
)
しきれない頭脳などをもって
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ここは目をつむって尊氏の
驕
(
おご
)
るがままにしておこう。
四方
(
よも
)
の官軍がふたたび
起
(
た
)
ち上がるときを待つ。どんな
怺
(
こら
)
えをしてもそれを待つ。されば、そちもここを
脱
(
だっ
)
して北陸へ落ちて行け。
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
とまれ、手越河原の難はからくも
脱
(
だっ
)
しえたが、
矢矧
(
やはぎ
)
までまだ四十里ほどはあった。
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
煙硝爆破
(
えんしょうばくは
)
の
紅蓮
(
ぐれん
)
がかぶさったときには、さすがの昌仙も、手のつけようがなく、わずかに、呂宋兵衛その他のものとともに、例の
間道
(
かんどう
)
から
人無村
(
ひとなしむら
)
へ逃げ、からくも危急を
脱
(
だっ
)
したのであるが
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
脱
常用漢字
中学
部首:⾁
11画
“脱”を含む語句
脱出
脱落
解脱
大肌脱
脱走
洒脱
膚脱
肌脱
脱衣場
脱然
脱衣婆
沓脱
脱兎
沓脱石
脱殻
蝉脱
藻脱
脱捨
脱棄
靴脱
...