ぬい)” の例文
天道樣が感應かんおうましまして忠兵衞にはせし者ならん如何にも此長助が一肌ひとはだぬいでお世話致さんさりながら一たん中山樣にて落着らくちやくの付し事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
の男が亡くなってしまった日にゃア、誠に困る、身ぐるみぬいだって、碌な荷物もえようだから、宿賃の出所でどこがあるめえと思って、誠に心配しんぷえだ、とんだ厄介者に泊られて、死なれちゃア困るなア
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
かつ渡世とせいいたすなり何ぞ御用ならば上り給へと申をさいはひに草鞋わらぢぬいあがるに未だて居たる權三をおこし右の事をはなせば早速さつそく起出おきいでかほあらひ見るに十四五の若衆わかしう旅裝束たびしやうぞくなれば駕籠かご相談さうだんと心得て挨拶あいさつ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
改め斯樣に穢苦むさくるしき住居すまひなれども此方こちらへ御通り下されと最丁寧なる挨拶あいさつに瀬戸物屋の忠兵衞は莞爾にこ/\として立入けり此瀬戸物屋忠兵衞と云ふは至つて女ずきにて殊にお光は後家なりと思ふ者から見れば貧苦ひんく容子ようす故一はだぬいで世話を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)