“ぬぐ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
99.4%
時々拭0.3%
0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
病女びょうじょうらめしげな、弱った吐息を吹きかけて、力なくぬぐった鏡のように、底気味の悪い、淋しいうちに、厭らしい光りを落していた。
夜の喜び (新字新仮名) / 小川未明(著)
が、彼は先刻さっきからの涙が、まだ続いて居た。三十に近い男が、電車の中で泣いて居る事は、決してよい外観を呈する訳ではなかった。で、彼は窓から外を見るような風をして、涙を時々拭ぬぐって居た。
大島が出来る話 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
立て或松原に差掛りしが此方の松蔭まつかげより黒き頭巾づきんにておもてを隱せし一人の侍士さぶらひ四邊あたりを見廻し立出て忠八暫しと云こゑに驚き見返みかへれば彼の侍士が黒き頭巾をぬぐ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)