ぬぎ)” の例文
徐々そろ/\ぬぎかけ座敷へ上らんとするに下男の彌助心のうち彌々いよ/\迷惑めいわくに思ひきやつに何とか云て何れにもとまらぬやう追出して仕廻しまはんともじ/\手を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「それに自分の着物を畳みもせずに、ぬぎっぱなしで寝て了うなんて、それだから御父さんも、この身上しんしょうは譲られないと言うんじゃないか」
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
かくてもあられねばつまたる羽織はおりをつとくびをつゝみてかゝへ、世息せがれ布子ぬのこぬぎて父の死骸しがいうでをそへてなみだながらにつゝみ脊負せおはんとする時
赤顔あかがしらを除き、半臂はっぴぬぎ捨て、侍女の薙刀なぎなたを奪ひ、大口おおくち穿きしまま小脇にかいこみたる形は、四天王但馬の妻と見えたり。
両座の「山門」評 (新字旧仮名) / 三木竹二(著)
と胸をはだけた、仕方をする気が、だらしはない、ずるッか脱げた両肌ぬぎ
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
すはやとて両人衣服をぬぎすて水に飛入りおよぎよりて光る物をさぐりみるに、くゝり枕ほどなる石なり、これを取得とりえて家にかへり、まづかまどもとおきしに光り一室いつしつてらせり。
すはやとて両人衣服をぬぎすて水に飛入りおよぎよりて光る物をさぐりみるに、くゝり枕ほどなる石なり、これを取得とりえて家にかへり、まづかまどもとおきしに光り一室いつしつてらせり。
行者はいかりたるいろもなく、なにともいはず衣服きるものぬぎてかたへの水楊かはやなぎにかけ、赤裸あかはだかになりて水をかんまゐりする方をふしをがみ、武士の手をとりて引起ひきおこしければなにのくもなくおきあがり