“まむき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
真向61.9%
眞向14.3%
正面9.5%
正向4.8%
真正面4.8%
真面4.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「百夜はおろか、二百夜、千夜、出離の御功力みくりきをたまわるまでは、振り向いてはならぬ。まだ真向まむきにこの御扉みとびらのうちへこそ向え」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
友の眠に就きし後、われは猶やゝ久しく出窓に坐して、かたを眺め居たり。こゝよりはたゞに廣こうぢの隈々くま/″\迄見ゆるのみならず、かのヱズヰオの山さへ眞向まむきに見えたり。
正面まむきあばらのあたりを、庖丁ほうちょうの背でびたびたと叩いて
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
とおかしそうに正向まむきに見られて、やっこは、口をむぐむぐと、顱巻はちまきをふらりと下げて
海異記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
……私はそれから裏口の梔子くちなしの蔭にむしろを敷きまして、煙管きせるくわえながら先刻さいぜん蒸籠せいろつくろい残りをつづくっておりましたが、そこから梔子の枝越しに、離家の座敷の内部ようす真正面まむきに見えますので
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
谷へ出た松の枝に、まるで、一軒家の背戸のその二人をにらむよう、かっまなこみひらいて、紫の緒で、真面まむき引掛ひっかかっていたのです。……
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)