“まとも”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:マトモ
語句割合
正面36.6%
真正面21.6%
真面18.6%
真向4.6%
的面3.6%
眞正面2.6%
正的2.1%
眞面1.5%
正直1.0%
真艫1.0%
真当面0.5%
當面0.5%
善良0.5%
当面0.5%
正射0.5%
正常0.5%
正当0.5%
正面向0.5%
満面0.5%
眞向0.5%
真的0.5%
真面目0.5%
眼面0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
広栄は左右にけた障子の一方の陰にいたので正面に客と顔をあわせなくてもよかった。客はあの匪徒の中の松山と半ちゃんであった。
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
手を振ったり、足をふんばったり、勝手なことをわめく艦長のために、水兵は何度も真正面から自分の顔に「唾」を吹きかけられた。
蟹工船 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
「ですが……」と、娘もその時は、だいぶ度胸がすわって来たものでしょう、押し返して、のふかい面だちを真面に白くふり向けて
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
米友が再び唸って、額にを寄せて、深い沈黙に落ちようとする時に、女は躍起となって、真向燈火を向けて、さも心地よさそうに
大菩薩峠:19 小名路の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「これが、みっちゃんの眼を狙ったんだ、的面に突っ立つと命が危ない」
古城の真昼 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
谷はいまこの冴えた月のひかりを眞正面に浴びて、數知らぬ小さな銀の珠玉をさらさらと音たてゝうち散らしながら眞白になつて流れて居る。
姉妹 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
たらたらとのような腹を正的に、に濡色の薄紅をさしたのが、仰向けに此方へ、むっくりとして、そして頭のに黄色く輪取った、その目がにくるりと見えて
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その祠の階段に腰を掛けると、此處よりは少し低目の、同じ形の西山に眞面に對合つた。
赤痢 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
「ウン。あのハンカチの一件は一番カンジンの話なんだが、戸塚の野郎が正直に話すか知らんと思ったから、俺は別々に訊問された時もわざと云わずにおいたんだ。そうして様子を探ってみたんだ」
オンチ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
喜びて共に河辺に至る。洋々たる水はがら一大湖水をわし、前岸有れども無きが如くにして、遠く碧天に接し、上り下りの帆影、真艫に光をりて、眩きまでに白し。
大利根の大物釣 (新字新仮名) / 石井研堂(著)
九月朔日の朝は、南風真当面に吹きつけて、縁側の硝子戸を閉めると蒸暑く、あけると部屋の中のものが舞上って為方がなかった。
九月一日 (新字新仮名) / 水上滝太郎(著)
真当面にじいやに顔をのぞき込まれるのがいやなので、泣叫ぶ甲子を女中の手に渡すと、一郎はいきなり倒れた家の屋根に上って、瓦をめくり始めた。
九月一日 (新字新仮名) / 水上滝太郎(著)
おつぎはるなときつける北風當面けて呼吸がむつとつまるやうにじてふと横手いた。れたにおつぎはひつけられたやうにひのつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
おつぎは當面けるのにはきつける土砂つて不快であつた。手拭くつて沿びせるれるのをつた。それでももとは疎略ではなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
ほかに理由があると睨んだ与助の推測どおり、心に思っている女があって、善良な生活が恋しくなったと言う告白だ。二十七の物思い——鬼瓦の文珠屋が恋風を引き込んだ。
煩悩秘文書 (新字新仮名) / 林不忘(著)
こちらを当面に川を横に泳いで来るのですから、よくわかりませんでしたけれど、やや深いところへ来ると、身を斜めにして抜手を切り出したものですから、その時はじめてわかったのは
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
境も嗽手水して、明王の前に額着いて、やがて、相並んで、日を正射に、白い、い、峠を望んで進んだ。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
身体の位置が正常になった時——即ち、頭を上に直立した際を狙って、背を打つのである。
絶景万国博覧会 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
コン吉は今日こそは正当な昼飯にありつけると、心情いささか駘蕩たる趣きをしかけて来たところ、アランベエル商会は、その町の入口で
お説教がやがて続き出したのをいゝしほだとも思つたらしく、みんながもとの様に正面向に身体を直した。大きな影が再び彼女と灯との間を遮つた。
夜烏 (新字旧仮名) / 平出修(著)
やがて船頭はその離れて動いてゐる綱を引張つて、舳先の方に行つて、それをそこに結びつけた。船は急に風を満面に受けて孕んだ。船はいくらか傾くぐらゐになつた。
船路 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
入口に立つてゐた源吉に、眞向に光が來た。
防雪林 (旧字旧仮名) / 小林多喜二(著)
半分に切ったからというて半分真的にあるというのは余程珍しい。多くは中の部分を繰抜き、また外側を幾分か削ってしまったもので三日月形にしてあるものがやはり半分に通用します。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
この初恋の痛手というのが、多少偏執狂的な性癖はあったかも知れませんが、まあ真面目な苦学生であったこの男の人生の針路を滅茶滅茶に踏みってしまったことは事実なのです。
陰獣トリステサ (新字新仮名) / 橘外男(著)
とおさだは口走ったが、その時おさだの眼は眼面におげんの方を射った。
ある女の生涯 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)