古城の真昼こじょうのまひる
「ああ退屈だ。こう世間が無事ではやり切れないなア」 文学士碧海賛平は、鼻眼鏡をゆすり上げながら、女の子のように気取った欠伸をいたしました。 「全くだ、何んか斯う驚天動地の面白い事件が無いものかネ」 百舌の巣のような乱髪を、無造作に指で掻き上 …
作品に特徴的な語句
おろ 怪物エテもの おもん あぶね 武士つわもの あけ おお いで あや つかま 正午しょううま たぐ こく えみ キイ かくし わずか あやう 城趾じょうし すくな 彼方あちら とら 服装みなり 玉置たまおき いしぶみ 莞爾かんじ かく ともがら 陥穽おとしあな かた 一寸ちょっと 丁度ちょうど 上気のぼ 之又これまた なが 井桁いげた わた また 伽噺とぎばなし 何処どこ 何時いつ 先刻さっき 先達せんだつ 其処そこ もた 卑怯ひきょう 単衣ひとえ 咄嗟とっさ ただ うしな 城池じょうち 夏至げし おびただ 大跨おおまた よろ なお かが 巴水はすい 彼奴あいつ 御影みかげ ことごと 成程なるほど 手強てごわ 手繰たぐ ほう 折角せっかく ななめ しばら 梅雨つゆ 棕梠しゅろ 椅子いす 欠伸あくび 此処ここ 此方こちら 沢山たくさん 溝渠こうきょ ようや 煙草たばこ 生月いけづき 田圃たんぼ 畢生ひっせい 百舌もず 的面まとも そう 真物ほんもの 眼鏡めがね 矢張やは 知丸ともまる 石室いしむろ