“まつかう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
真向40.9%
抹香27.3%
眞向22.7%
驀向4.5%
真額4.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
昼の蝋燭が鼻の真向まつかうにしんみりと光り輝く、眼と眼とがぢつとその底から吸ひ付くやうに差覗く……つくづくと陰影かげと霊魂と睨み会つたまま底の底から自愛と憐憫の心とが切々と滲み出る。
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
がくだアな、此方こつちへおで、こゝで抹香まつかうあげるんだ、これがおだうだよ。梅「へえゝこれ観音くわんおんさまで……これはなんで。近「お賽銭箱さいせんばこだ。 ...
心眼 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
醫學いがく原則げんそくは、醫者等いしやらをして貴方あなたじつはしめたのです。しかしながらわたし軍人風ぐんじんふう眞向まつかう切出きりだします。貴方あなた打明うちあけてひます、すなは貴方あなた病氣びやうきなのです。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
振り向く途端に驀向まつかうより岩も裂けよと打下すは、ぎら/\するまで硎ぎ澄ませし釿を縦に其柄にすげたる大工に取つての刀なれば
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
今晩なぞとは手ぬるいぞ、と驀向まつかうから焦躁じれを吹つ掛けて、飲め、酒は車懸り、猪口ちよくは巴と廻せ廻せ、お房外見みえをするな、春婆大人ぶるな
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
やうやくその顔のあきらかに見ゆるひまを求めけるが、別に相対さしむかへる人ありて、髪は黒けれども真額まつかう瑩々てらてら禿げたるは、先に挨拶あいさつでし家扶の畔柳にて、今一人なるその人こそ、眉濃まゆこ
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)