“ひたむ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
直向66.7%
真向33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
お吉の心はただ直向ひたむきに島君殺しに懸かっていた。自然体に隙がない、皮を切らせて肉を切り、肉を切らせて骨を切る、この意気でジリジリと付け廻わした。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
湖中の水はそこを目掛けてただ直向ひたむきに押し寄せていた。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
綽空しゃっくうは、その朝——まだ暗いうちに岡崎の草庵を出て、白河のほとりを、いつもならば西へ下るのに、叡山えいざんのほうへ真向ひたむきに歩いていた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
血にまみれた頭もぬぐわず、汗にまみれた顔も拭わず、性善坊と覚明は真向ひたむきにくるまをひき出した。この声、この力、天地に響けとばかりに。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼の心は真向ひたむきだった、一心であった。一刻もはやく会わねばならない。会ってそして自分の誠意をもって兄の心を打たなければならない。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)