良人つれあひ)” の例文
歿なくなられた良人つれあひから懇々くれぐれも頼まれた秘蔵の秘蔵の一人子ひとりつこ、それを瞞しておのれが懲役に遣つたのだ。此方このほうを女とあなどつてさやうな不埒ふらちを致したか。長刀なぎなたの一手も心得てゐるぞよ。恐入つたか
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
かひに行かんとせしが能々よく/\思へばお夜食やしよくのお米もなければ詮方なく進度あげたき鰻も買うこと成ず是程せつなき譯なれば御相談は爰の處お前樣もお良人つれあひのお手前もあらんが唯今申通りの譯なれば御氣の毒なれども何卒金子三兩夫共御都合ごつがふわるくば二兩にてもよろしく母樣の御病氣の御全快迄御貸下さる樣御願ひ申上ますとをがみつ泣つ頼みいり此金子の出來し事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)