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良人
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をつと
ふりがな文庫
“
良人
(
をつと
)” の例文
鏡子は気に
掛
(
かゝ
)
る
良人
(
をつと
)
の金策の話を此人にするのに、
今日
(
けふ
)
は
未
(
ま
)
だ余り早すぎると
下臆病
(
したおくびやう
)
な心が思はせるので、それは心にしまつて居た。
帰つてから
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
亡くなつた
良人
(
をつと
)
が辞書などを著した学者であつた
丈
(
だけ
)
に婆さんも
中中
(
なか/\
)
文学
好
(
ずき
)
で、僕の為にいろんな古い
田舎
(
ゐなか
)
の俗謡などを聞かせて
呉
(
くれ
)
る。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
憎んでも憎み足りない私であつても八年の間
良人
(
をつと
)
と呼んだのだから、憎んでも
憎
(
にく
)
み
甲斐
(
がひ
)
なく、悪口言つて言ひ甲斐もないことなのである。
途上
(新字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
私はあの子の母が
何時
(
いつ
)
も嫌ひだつたのさ。何故かと云へば、
彼女
(
あれ
)
は私の
良人
(
をつと
)
のたつた一人の妹で、おまけに大變なお氣に入りだつたから。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
「まあ、さうなの。」
女房
(
かない
)
は皿をとりあげて、ちらと中をあらためて見てゐたが、すぐ目をあげて
胡散
(
うさん
)
さうに
良人
(
をつと
)
の顔を見た。
茶話:07 大正十四(一九二五)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
▼ もっと見る
事の起りは、エルアフイ夫人がアムステルダムの
良人
(
をつと
)
から託送して来たオランダ
土産
(
みやげ
)
の
刺繍
(
ししう
)
のある布地をジッド夫人に届けた事からである。
亜剌比亜人エルアフイ
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
以前は此の造船場に勉めてゐたのであるが、兄といふのが独力で小資本の工場を始めてから彼女の
良人
(
をつと
)
も其の方へ行つて一緒にやることになつた。
煤煙の匂ひ
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
良人
(
をつと
)
持
(
も
)
たんの
觀念
(
くわんねん
)
、
何
(
なに
)
として
夢
(
ゆめ
)
さら/\あらんともせず、
樂
(
たのし
)
みは
春秋
(
はるあき
)
の
園生
(
そのふ
)
の
花
(
はな
)
、ならば
胡蝶
(
こてふ
)
になりて
遊
(
あそ
)
びたしと、
取
(
とり
)
とめもなきこと
言
(
い
)
ひて
暮
(
くら
)
しぬ
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
細君は「虎」にこだわる
良人
(
をつと
)
の心持とは違つて、「
外
(
よそ
)
へ行くより」と云ふ言葉に、一種の意味を持たせて賛成した。
虎
(新字旧仮名)
/
久米正雄
(著)
実
(
じつ
)
に
此
(
この
)
音色
(
ねいろ
)
を
蓄
(
たくは
)
へて
置
(
お
)
く
等
(
など
)
といふは、
不思議
(
ふしぎ
)
と
申
(
まう
)
すも
余
(
あまり
)
あることでござりまする。
殊
(
こと
)
に親、
良人
(
をつと
)
、
誰
(
たれ
)
に
拘
(
かゝは
)
らず
遺言
(
ゆゐごん
)
抔
(
など
)
を
蓄
(
たくは
)
へて
置
(
お
)
いたら
妙
(
めう
)
でござりませう。
世辞屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
昨夜芝公園は山木紳商の奥室に於て、機敏豪放を以て其名を知られたる
良人
(
をつと
)
をば、小僧
同然
(
どうやう
)
に
叱咤
(
しつた
)
操縦せるお
加女
(
かめ
)
夫人にてぞありける、昨夜の趣にては
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
今や、この一隊は紙衣の神官でもなければ行列でもなく、見物人達の
良人
(
をつと
)
であり、父親であり、主人であつた。
医師高間房一氏
(新字旧仮名)
/
田畑修一郎
(著)
其事実は四年間
良人
(
をつと
)
に別れ居りし妻、一
男子
(
なんし
)
を生みしが、其女は始終良人と同衾する夢を見居りし由に候。
アンドレアス・タアマイエルが遺書
(新字旧仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
妾
(
わたくし
)
が子ープルスの
家
(
いへ
)
へ
歸
(
かへ
)
つて、
涙
(
なみだ
)
ながらに
良人
(
をつと
)
の
濱島
(
はまじま
)
に
再會
(
さいくわい
)
した
時
(
とき
)
には、
弦月丸
(
げんげつまる
)
の
沈沒
(
ちんぼつ
)
の
噂
(
うわさ
)
は
大層
(
たいそう
)
でした。
何事
(
なにごと
)
も
天命
(
てんめい
)
と
諦
(
あきら
)
めても、
本當
(
ほんたう
)
に
悲
(
かな
)
しう
御坐
(
ござ
)
んしたよ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
しかも
良人
(
をつと
)
のあだかたきなる、二人の為に身を
涜
(
けが
)
されて、
調戯
(
なぐさみもの
)
となれる事、もともといかなる悪業ぞや。
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
何故
(
なぜ
)
だらうと思つて聞いて見ると、この奥さんの
良人
(
をつと
)
が
逗子
(
づし
)
の別荘に
病
(
やまい
)
を養つてゐた時分、奥さんは
千枝
(
ちえ
)
ちやんをつれて、一週間に二三度
宛
(
づつ
)
東京逗子間を往復したが
東京小品
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
と
云
(
い
)
ふ
瞳
(
ひとみ
)
が、
疊
(
たゝ
)
みかけた
良人
(
をつと
)
の
禮服
(
れいふく
)
の
紋
(
もん
)
を
離
(
はな
)
れて、
元二
(
げんじ
)
が
懷中
(
ふところ
)
の
本
(
ほん
)
に
移
(
うつ
)
つたのであつた。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
『操縱されてるやうに見える
良人
(
をつと
)
なんて、煮ても燒いても食べられるのぢやない。』
こんな二人
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
彼はそんなときになると、きつと
良人
(
をつと
)
の顔が目の先にちらついてくることを感ずる。
夜烏
(新字旧仮名)
/
平出修
(著)
して歸りし後にて心付し處油屋の見世にありし百兩の金が
紛失
(
ふんじつ
)
したるに付
良人
(
をつと
)
が
盜
(
ぬす
)
み取たるに
違
(
ちがひ
)
なし然なければ一文
貰
(
もら
)
ひの
貧窮
(
ひんきう
)
浪人
(
らうにん
)
が十三兩三分と云
質
(
しち
)
をすら/\
請
(
うけ
)
出す筈がないと云るゝにより其
質
(
しち
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
モリエエルは年若な妻に対する誘惑の多い事を感じて人知れず煩悶する。細君に
向
(
むか
)
つて其れとなく「自重せよ、
良人
(
をつと
)
の愛を反省せよ」
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
良人
(
をつと
)
を置いて一人この人等の傍へ寝に帰らうとは、立つ前の
夜
(
よ
)
の悲しい思ひの中でも決して決して鏡子は思はなかつたのであつた。
帰つてから
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
一度ならず、私がまどろんでゐると、十五年前に
亡
(
な
)
くなつた私の
良人
(
をつと
)
が這入つてきて私の傍に坐つてゐるやうな氣がするのです。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
岩野氏夫妻がまだ大阪にゐた頃、
良人
(
をつと
)
の泡鳴氏が新聞社に出掛けると、清子女史は時々良人の監督だといつて、自分も新聞社へ出掛けたものだ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
我が
良人
(
をつと
)
は
今宵
(
こよひ
)
も帰りのおそくおはしますよ。我が子は早く
睡
(
ねむ
)
りしに、帰らせ給はゞ
興
(
きよう
)
なくや
思
(
おぼ
)
さん。
大路
(
おほぢ
)
の霜に月
氷
(
こほ
)
りて、踏む足いかに冷たからん。
軒もる月
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「あんた、此の方は丸田さんて方よ。兄さんと同じ工場に出てゐなさる方よ。」と彼女は
良人
(
をつと
)
に丸田を引き合せた。此の瞬間丸田は何となく妙な気持がした。
煤煙の匂ひ
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
貴嬢
(
あなた
)
だから何も
角
(
か
)
もお話しますがネ——矢張有るんですよ——つまり、私の
不束
(
ふつつか
)
故に、
良人
(
をつと
)
に満足を与へることが、出来ないのですから、罪は無論私にありますけれど
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
慇懃
(
いんぎん
)
に礼を施して
曰
(
いはく
)
、「あなたはソオシアル・ダンスをおやりですか?」佐佐木夫人の
良人
(
をつと
)
即ち佐佐木茂索、「あいつは一体何ものかね」と言へば、何度も玉に負けたる隆一
病牀雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
と
一寸
(
ちよつと
)
横顏
(
よこがほ
)
を
旦那
(
だんな
)
の
方
(
はう
)
に
振向
(
ふりむ
)
けて、
直
(
す
)
ぐに
返事
(
へんじ
)
をした。
此
(
こ
)
の
細君
(
さいくん
)
が、
恁
(
か
)
う
又
(
また
)
直
(
たゞ
)
ちに
良人
(
をつと
)
の
口
(
くち
)
に
應
(
おう
)
じたのは、
蓋
(
けだ
)
し
珍
(
めづら
)
しいので。……
西洋
(
せいやう
)
の
諺
(
ことわざ
)
にも、
能辯
(
のうべん
)
は
銀
(
ぎん
)
の
如
(
ごと
)
く、
沈默
(
ちんもく
)
は
金
(
きん
)
の
如
(
ごと
)
しとある。
山の手小景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
良人
(
をつと
)
はたうとうひかれて行つた。十日や十五日は夢のやうにすぎてしまつたが、女房は
良人
(
をつと
)
の消息をきかうとも思はなかつた。どう云ふ手続でどう云ふ順序で良人がお仕置になるのであるか。
夜烏
(新字旧仮名)
/
平出修
(著)
『あら、
父君
(
おとつさん
)
は
單獨
(
ひとり
)
で
何處
(
どこ
)
へいらつしやつたの、もうお
皈
(
かへ
)
りにはならないのですか。』と
母君
(
はゝぎみ
)
の
纎手
(
て
)
に
依
(
よ
)
りすがると
春枝夫人
(
はるえふじん
)
は
凛々
(
りゝ
)
しとはいひ、
女心
(
をんなごゝろ
)
のそゞろに
哀
(
あはれ
)
を
催
(
もよほ
)
して、
愁然
(
しゆうぜん
)
と
見送
(
みおく
)
る
良人
(
をつと
)
の
行方
(
ゆくかた
)
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
聞
(
きゝ
)
道理
(
もつとも
)
の願なり
許
(
ゆる
)
し遣はす
座
(
ざ
)
隔
(
へだ
)
たれば
遲速
(
ちそく
)
あり親子三人
一間
(
ひとま
)
に於て
切腹
(
せつぷく
)
すべければ此所へ參れとの御言葉に用人は
畏
(
かし
)
こまり
此旨
(
このむね
)
奧方
(
おくがた
)
へ申上げれば奧方には
早速
(
さつそく
)
白裝束
(
しろしやうぞく
)
に
改
(
あらた
)
められ此方の一間へ來り給ひ
涙
(
なみだ
)
も
溢
(
こぼ
)
さず
良人
(
をつと
)
の
傍
(
そば
)
に
座
(
ざし
)
て三人時刻を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
其れを知らぬ程の
良人
(
をつと
)
では無いが、
持前
(
もちまへ
)
の
負嫌
(
まけぎら
)
ひな気象と妻を
労
(
いたは
)
る心とから斯う
確乎
(
きつぱり
)
した事を云ふのであると美奈子は思つて居る。
執達吏
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
午後
生田
(
いくた
)
さんが見えた。
煙草
(
たばこ
)
のいろいろあるのを私と同じ程面白がつて飲んで下すつた。
良人
(
をつと
)
の異父兄の
大都城
(
だいとじやう
)
さんが
修
(
しう
)
さんと一緒に来た。
六日間:(日記)
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
それ處か、彼女が生きてゐる限り私は他の妻、もつと
良
(
い
)
い妻の
良人
(
をつと
)
となることは、斷じて不可能だといふこともわかつてゐる。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
花嫁は自分の存在を証明するやうに、わざと邪慳に
良人
(
をつと
)
の
腕
(
かひな
)
をとつた。発明家の花聟はひきずられるやうに
蹤
(
つ
)
いて往つた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
で
御座
(
ござ
)
いますけれど
私
(
わたし
)
に
其時
(
そのとき
)
自分
(
じぶん
)
を
省
(
かへりみ
)
る
考
(
かんが
)
へは
出
(
で
)
ませぬゆゑ、
良人
(
をつと
)
のこゝろを
察
(
さつ
)
する
事
(
こと
)
は
出來
(
でき
)
ませぬ、
厭
(
いや
)
な
顏
(
かほ
)
を
遊
(
あそ
)
ばせば、それが
直
(
す
)
ぐ
氣
(
き
)
に
障
(
さは
)
りまするし
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
歳
(
とし
)
も暮れに近づいた。或る日彼女の
良人
(
をつと
)
の兄といふのが所用で大阪へ行つた帰りとかで立ち寄つた。
煤煙の匂ひ
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
「松島さん、感謝致します——私には既に誓つた
良人
(
をつと
)
があるので御座いますから——」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
此品
(
これ
)
をとられてしまつてはすぐ食ふことが出来ない、自分と、三人の子供の命の
蔵
(
くら
)
は、今自分が座つて居る莚の下にある、生きたいと云ふ一念で、
良人
(
をつと
)
は恐しい土蔵破りをまでした、その一念で
夜烏
(新字旧仮名)
/
平出修
(著)
何所
(
どこ
)
へ參りしぞと
問
(
とは
)
れしかば女房何事か
出來
(
しゆつたい
)
したかと驚き今日は
商賣用
(
しやうばいよう
)
にて
栗橋
(
くりはし
)
まで參りました故
申刻過
(
なゝつすぎ
)
には
大方
(
おほかた
)
戻
(
もど
)
りませう
併
(
しか
)
し御役人樣へ申上ます
妾
(
わたく
)
しの
良人
(
をつと
)
は當年六十に相成りますが
近所
(
きんじよ
)
でも
佛
(
ほとけ
)
林藏と申て何も惡事は
是迄
(
これまで
)
少
(
すこ
)
しも致しましたことは御座りませんが
些少
(
さゝい
)
なことは
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
夫人の
斯
(
か
)
うして居られるのは自身の姿が不朽の芸術品として
良人
(
をつと
)
に作られた
其
(
その
)
喜びを
何時
(
いつ
)
迄も
現
(
あら
)
はして居られる様にも思はれるのであつた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
その
押
(
おさ
)
へて居ると云ふのは喜びに伴ふ悲哀でも
何
(
な
)
んでもない、
良人
(
をつと
)
と二人で子の傍へ帰つて来る事の出来なかつたのが
明
(
あか
)
らままに悲しいのである。
帰つてから
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
良人
(
をつと
)
の収入の
足
(
た
)
そくにと思つて手内職をしようにも、「奥さん」と呼ばれてみると、さうもならず、つい小猫を相手にぶらぶら日を送る事になる。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
貴君
(
あなた
)
お聞遊しましたかと
良人
(
をつと
)
に向ひて
忌
(
いま
)
はし気にいひける、娘は俄に
萎
(
しほ
)
れかへりし
面
(
おもて
)
に生々とせし色を見せて、あのそれ
一昨年
(
をととし
)
のお花見の時ねと言ひ
出
(
いだ
)
す
うつせみ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
今はむかし、朝鮮総督長谷川好道氏が、どこかで旅団長を勤めてゐた頃、ある日の事、夫人が
良人
(
をつと
)
の書斎へ入つて来た。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
此の文庫の中を開けさへすれば永劫変らぬ二人の若々しい本体は
何時
(
いつ
)
でも見られるものだと
極
(
き
)
めて、
良人
(
をつと
)
にも手を触れさせぬ程大切にして居るのである。
執達吏
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
あのやうな
愚物樣
(
ぐぶつさま
)
を
良人
(
をつと
)
に
奉
(
たてまつ
)
つて
吉岡
(
よしをか
)
さんを
袖
(
そで
)
にするやうな
考
(
かんが
)
へを、
何故
(
なぜ
)
しばらくでも
持
(
も
)
つたのであらう、
私
(
わたし
)
の
命
(
いのち
)
が
有
(
あ
)
る
限
(
かぎ
)
り、
逢
(
あ
)
ひ
通
(
とほ
)
しましよ
切
(
き
)
れますまい
うらむらさき
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
松本さんは
入
(
はい
)
つて来た時に大きい背丈の人だと
今日
(
けふ
)
も思つた。
昨日
(
きのふ
)
の仮装会の帰りだと云つて阪本さんが車夫姿で来たから驚いた。
良人
(
をつと
)
の手紙が配達された。
六日間:(日記)
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
矮身
(
せいひく
)
で、
怖
(
おそろ
)
しく
近眼
(
ちかめ
)
な、
加之
(
おまけ
)
に、背広の
背
(
せな
)
をいつも
黄金虫
(
こがねむし
)
のやうに
円
(
まろ
)
めてゐた
良人
(
をつと
)
に、窮屈な衣冠を着けさせるのは、何としても気の毒であつた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
“良人”の意味
《名詞》
良い人。
妻から見た夫。
(出典:Wiktionary)
良
常用漢字
小4
部首:⾉
7画
人
常用漢字
小1
部首:⼈
2画
“良人”で始まる語句
良人操縱
良人宅
良人学校
良人操縦法