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良人
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りょうじん
ふりがな文庫
“
良人
(
りょうじん
)” の例文
唯の夫婦でも強い細君は弱い
良人
(
りょうじん
)
の鼻綱を取る。家庭生活も優勝劣敗を免れない。主人は外へ出て稼ぐ丈け歩が好いようなものゝ
脱線息子
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
他の
良人
(
りょうじん
)
は彼等の妻の墓を飾るに
菫菜草
(
すみれそう
)
と
薔薇花
(
ばらのはな
)
とを以てするなれど我がパマカスはポーリナの聖なる遺骨を
湿
(
うるお
)
すに慈善の
香乳
(
こうにゅう
)
を
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
近く
喩
(
たと
)
えを取り、今日の婦人女子をして、その
良人
(
りょうじん
)
父兄の品行を学ぶことあらしめたらばこれを
如何
(
いかん
)
せん。
日本男子論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
当時全盛に全盛を極めたる重井の虚名に
恋々
(
れんれん
)
して、
遂
(
つい
)
に
良人
(
りょうじん
)
たり恩人たる岡崎氏を棄て、心強くも東京に
奔
(
はし
)
りて重井と交際し、果はその愛を
偸
(
ぬす
)
み得たりしなり。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
(こんなことに馴れ切っているのかしら、それとも
止
(
や
)
むを得ぬ外出先なのだろうかしら)などと、新子は去った夫人と残っているご
良人
(
りょうじん
)
とのことを等分に考えていた。
貞操問答
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
▼ もっと見る
夫の好むもの、でなければ夫の職業上妻が知っていると都合の好いもの、それらを予想して結婚前に習っておこうという女の心がけは、未来の
良人
(
りょうじん
)
に対する親切に違なかった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
一人の夫人の忠実な
良人
(
りょうじん
)
という評判があって、品行方正を
標榜
(
ひょうぼう
)
していた源左大将であったが、今は
女二
(
にょに
)
の
宮
(
みや
)
に心を
惹
(
ひ
)
かれる人になって、世間体は故人への友情を忘れないふうに作りながら
源氏物語:39 夕霧一
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
出入
(
ではい
)
り送り迎えは欠かさないが、着替えの手伝いまでしてくれる時代はもう
疾
(
と
)
うに過ぎ去っている。結婚して六七年になれば細君も
良人
(
りょうじん
)
を理解する。
好人物
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
ああ余は
良人
(
りょうじん
)
を捨てざるべし、孤独彼を思うの切なるより余の身も心も消え行けどこの操をば破るまじ、よし余は和解の
来
(
きた
)
るまでこの浮世にはながらえずとも
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
良人
(
りょうじん
)
五年の
中風症
(
ちゅうふうしょう
)
、死に至るまで看護怠らずといい、
内君
(
ないくん
)
七年のレウマチスに、主人は家業の
傍
(
かたわ
)
らに自ら
薬餌
(
やくじ
)
を進め、これがために遂に資産をも傾けたるの例なきにあらず。
日本男子論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
子供のために、
枉
(
ま
)
げて来り給えなどいと
切
(
せ
)
めて勧めけるに、
良人
(
りょうじん
)
と
児
(
じ
)
との愛に引かれて、
覚束
(
おぼつか
)
なくも、
舅姑
(
きゅうこ
)
の
機嫌
(
きげん
)
を取り、裁縫やら子供の世話やらに
齷齪
(
あくせく
)
することとなりたるぞ
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
凡そ細君は
良人
(
りょうじん
)
の見ていない時までもそう/\働くものでない。大将御帰館という頃合を見計らって襷をかける。
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
何時
(
いつ
)
か
良人
(
りょうじん
)
が余の心の
深底
(
しんてい
)
を悟らん時もありぬべし、貞婦の心の一念よりして彼の改むる時もやあらむ、最終まで忍ぶものは幸なり、余も余の神の助にて何をか忍び得ざらんや。
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
見よ彼らが家庭の
紊乱
(
びんらん
)
せる有様を、
数年間
(
すねんかん
)
苦節を守りし最愛の妻をして、
良人
(
りょうじん
)
の出獄、やれ嬉しやと思う間もなく、かえって入獄中の心配よりも一層の
苦悶
(
くもん
)
を覚えしめ、
淫酒
(
いんしゅ
)
に
耽
(
ふけ
)
り公徳を害して
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
と妙子さんは何も当日から支配人の娘を鼻にかけたのでなく、単に
良人
(
りょうじん
)
として遇したのである。然るに清之介君は女房を支配人の令嬢として遇していたから
女婿
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
斯ういう夕暮には
一入
(
ひとしお
)
良人
(
りょうじん
)
の帰宅が待たれるものである。然るに人の好い千吉君は例によって
他
(
ひと
)
の鰹節役を勤めていると見えて、ナカ/\帰って来なかった。
好人物
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
良人
(
りょうじん
)
たるものは毎日洋服のポケットを検められていると覚悟する方が安全である。
或良人の惨敗
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
この階級の奥さま方は
良人
(
りょうじん
)
の和装によって自分達の好尚が鑑定されると思っているから、見立てに人知れぬ苦労をする。和服を着せて良人を出すのは先方の家の細君への一種の示威運動である。
好人物
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
と夫人は乳飲み子を抱き直して、
良人
(
りょうじん
)
をキッと見据えた。折から
或良人の惨敗
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
“良人”の意味
《名詞》
良い人。
妻から見た夫。
(出典:Wiktionary)
良
常用漢字
小4
部首:⾉
7画
人
常用漢字
小1
部首:⼈
2画
“良人”で始まる語句
良人操縱
良人宅
良人学校
良人操縦法