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良人
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うち
ふりがな文庫
“
良人
(
うち
)” の例文
それに
良人
(
うち
)
があの通りの男で、自分一人さえ好けりゃ女房なんかどうなったって、
己
(
おれ
)
の知った事じゃないって顔をしているんだから。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「どうしてそんなに急に帰ることになったのです。実はそのことで、
良人
(
うち
)
は今夜桐沢さんのところへ行っているのですが……。」
深見夫人の死
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
いずれ
良人
(
うち
)
でお話し申すだろうが、些イと考えてる事があるんだから……それはそうと母親さんの貰いたいとお言いのはどんなお子だか
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
長閑に一服吸ふて線香の烟るやうに
緩〻
(
ゆる/\
)
と烟りを
噴
(
は
)
き出し、思はず知らず
太息
(
ためいき
)
吐いて、多分は
良人
(
うち
)
の手に入るであらうが憎いのつそりめが
対
(
むか
)
ふへ廻り
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
「姉さん、これこれの都合ゆえ、どうか、こちらは人少なで広いから、
良人
(
うち
)
の保養のために一室借して下さいな」
幕末維新懐古談:23 家内を貰った頃のはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
▼ もっと見る
南さんの方が
真実
(
ほんとう
)
ですね。ねえ南さん、
良人
(
うち
)
がね、
巴里
(
パリイ
)
でね、
此処
(
こゝ
)
へ着いた十日程は若かつたねと云ふのでせう。
帰つてから
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
「いいえ、
良人
(
うち
)
は今夜
晩
(
おそ
)
いのよ。
粉問屋
(
こなどんや
)
へ帰りに廻るっていってましたもの。二郎さん、わたしじゃいけないの」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
梶「なにも済まない事は有りません、甲斐/″\しく骨惜みをしないで宜く働いておくれで、お気の毒だから
良人
(
うち
)
のに聞いてた
処
(
とこ
)
で、まアお休みなさいよ」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「あのお爺さんのいるうちは、とても丸く行かないだろうって、
良人
(
うち
)
でも心配しているんですよ。」
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「アノ
良人
(
うち
)
では歸れと言ひますけれど、歸つたところでね……それに十日に死んだとしますと今日はもう十四日ですから……今から歸つたところで仕樣もありませんし……」
一家
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
「手前のような悪党はそんな事をするだろうが、私達はそんな細工は大嫌いさ。遺言状が出て来て、
良人
(
うち
)
が相続することに決れば、博奕打なんか、敷居も
跨
(
また
)
がせるこっちゃない」
銭形平次捕物控:038 一枚の文銭
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「あなたは何でも御自分の偉い所をかくしていらつしやるから、ほんとにうつかりものは云へませんわ。妾の
良人
(
うち
)
のもあれで兵隊ですのよ。それこそお恥かしい兵隊ですの……。」
煤煙の匂ひ
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
やかましやの
良人
(
をつと
)
が
暇
(
ひま
)
といふては
毛筋
(
けすぢ
)
ほども
明
(
あ
)
けさせて
呉
(
く
)
れぬ
五月蠅
(
うるさ
)
さ、
夜分
(
やぶん
)
なりと
歸
(
かへ
)
りは
此方
(
こち
)
から
送
(
おく
)
らせうほどにお
良人
(
うち
)
に
願
(
ねが
)
ふて
鳥渡
(
ちよつと
)
來
(
き
)
て
呉
(
く
)
れられまいか、
待
(
ま
)
つて
居
(
ゐ
)
る、と
云
(
い
)
ふ
文面
(
ふみ
)
で
御座
(
ござ
)
ります
うらむらさき
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
あなたは
私
(
わたし
)
を
良人
(
うち
)
といっしょに見ているんでしょう。それから良人と岡本をまたいっしょに見ているんでしょう。それが大間違よ。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
実はネお前さんのお嫁の事に
就
(
つい
)
ちゃア
些
(
ち
)
イと
良人
(
うち
)
でも考えてる事があるんだから、これから先き母親さんがどんな事を言ッておよこしでも
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「まあ、そんな事があったのですか。なにかの心得になるかも知れませんから、
良人
(
うち
)
にも一と通り話して置いて下さいよ。」
深見夫人の死
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
長閑
(
のどか
)
に一服吸うて線香の煙るように
緩々
(
ゆるゆる
)
と煙りを
噴
(
は
)
き
出
(
いだ
)
し、思わず知らず
太息
(
ためいき
)
吐
(
つ
)
いて、多分は
良人
(
うち
)
の手に入るであろうが憎いのっそりめが
対
(
むこ
)
うへ
廻
(
まわ
)
り
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
……勿体なくも、上人様のお筆でございますわいな、拝みなされ、
良人
(
うち
)
のひと、これ、よう拝んで、お前様が人殺しの罪に
墜
(
お
)
ちなかったお礼をいうてくださんせ
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
あ「斯うしよう、お前の着物の寸法を書いておよこし、
良人
(
うち
)
の留守の時縫って上げよう」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
良人
(
うち
)
はあんなだし、私でもいなかった日には、一日だって店が立行きませんよ」
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
『けれど
尼様
(
あまさま
)
のやうに見える寂しい頭だつて
良人
(
うち
)
は嫌ひなのよ。』
帰つてから
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
そりゃ
良人
(
うち
)
だって兄さんに頼まれて、口は
利
(
き
)
いたようなものの、そこまで責任をもつつもりでもなかったんでしょうからね。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「そうですねえ。多代子さんと違って、透さんにうっかりそんなことを訊いて、それが
良人
(
うち
)
の耳にでもはいると、わたしが又叱られますから。」
深見夫人の死
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
とても
良人
(
うち
)
にはお任せなさるまいがもしもいよいよ吾夫のすることになったら、どのようにまあ親方様お吉様の腹立てらるるか知れぬ、ああ心配に
頭脳
(
あたま
)
の痛む
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「もういいわよ、そんな過ぎたこと。まアお上がんなさいな二階へ。
良人
(
うち
)
もじきに帰るでしょうから」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「田舎の方の
談
(
はなし
)
がつきさえすれば、
良人
(
うち
)
だってうっちゃっておくような人じゃありませんよ。もちろん大したことは出来やしませんけれど、相当なことはするつもりでいるんでしょうよ。」
爛
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
或日わたしは又
良人
(
うち
)
に叱られたの。
晶子詩篇全集拾遺
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
「どうして一廻どころか。健ちゃんとは十六違うんだよ、姉さんは。
良人
(
うち
)
が羊の
三碧
(
さんぺき
)
で姉さんが
四緑
(
しろく
)
なんだから。健ちゃんは
慥
(
たし
)
か
七赤
(
しちせき
)
だったね」
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「ね。二郎さん。お隣のおばさんには、
良人
(
うち
)
が
病
(
や
)
んでいるうちからお葬式のことまで、ほんとにご厄介になったのよ。あんたからもよくお礼を仰っしゃって下さいな」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
汝
(
そなた
)
は此頃仲町の甲州屋様の御本宅の仕事が済むと直に根岸の御別荘の御茶席の方へ廻らせられて居るではないか、
良人
(
うち
)
のも遊ぶは随分好で汝達の先に立つて騒ぐは毎〻なれど
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
「
良人
(
うち
)
もあすこは、今年がちょうど三年目だでね、どうか巧い工合に
失敗
(
しくじ
)
らないでやってくれればいいと思ってね……三年目にはきっと
失敗
(
しくじ
)
るのが、これまでのあの人の癖だもんですからね。」
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
ことに
良人
(
うち
)
でもああしてお父さんにあなたの世話を頼まれていて見ると、黙って
放
(
ほう
)
ってもおく訳にも行かないでしょう。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ようお上人様にも、
良人
(
うち
)
のひとの噂をお聞きでございましょうが、おそろしい一徹者のうえに、大の念仏ぎらい。そのため、御庵室へ詣でたいと思っても、有難いお教えを
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
出入るものに感応寺の塔の地曳の今日済みたり
柱立式
(
はしらだて
)
昨日済みしと聞く度ごとに忌〻敷、嫉妬の
火炎
(
ほむら
)
衝き上がりて、汝十兵衞恩知らずめ、
良人
(
うち
)
の心の広いのをよい事にして付上り
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
「多分それまでに帰ってくるようなことはないだろうと思うけれど、
偶然
(
ひょっ
)
として
良人
(
うち
)
が帰って来たら、
巧
(
うま
)
い工合に話しておいて下さいよ。
前
(
せん
)
に縁づいていた人のお墓参りに行ったとそう言ってね」
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「
良人
(
うち
)
のひとも、えろう酔うたし、旅づかれもあろうほどに、あしたの朝は寝坊するというておりますでの、あなたも
悠々
(
ゆるゆる
)
と眠って、朝立ちには、暖かい御飯など食べて行きなされ」
宮本武蔵:04 火の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
嫉妬の
火炎
(
ほむら
)
衝
(
つ
)
き上がりて、
汝
(
おのれ
)
十兵衛恩知らずめ、
良人
(
うち
)
の心の広いのをよいことにしてつけ上り、うまうま名を揚げ身を立つるか、よし名の
揚
(
あが
)
り身の立たばさしずめ礼にも来べきはずを
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「ことによると、
良人
(
うち
)
では年始状位まだ出してるかも知れないよ」
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
良人
(
うち
)
はこのごろ妙なことをしているんだよ。」
爛
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「云わなくたって、あたしにはちゃんと判っている。秀八が
挿
(
さ
)
している
翡翠珠
(
ひすいだま
)
は、おまえがいつか、わたしの
釵
(
かんざし
)
か
良人
(
うち
)
の
根付
(
ねつけ
)
にどうですと云ってすすめた珠じゃないか。どう? 恐れ入ったろう」
春の雁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「謝ッて下さいっ、皆さん、
良人
(
うち
)
のひとへ」と、もう泣き声だった。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“良人”の意味
《名詞》
良い人。
妻から見た夫。
(出典:Wiktionary)
良
常用漢字
小4
部首:⾉
7画
人
常用漢字
小1
部首:⼈
2画
“良人”で始まる語句
良人操縱
良人宅
良人学校
良人操縦法