“根付”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ねつけ86.7%
ねづけ13.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
毛むくじゃらの手を懐中ふところに突込み、胸を引裂いてそのはらわたでも引ずり出したかの様、朱塗の剥げた粗末な二重印籠、根付ねつけ緒締おじめも安物揃い。
怪異黒姫おろし (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
背戸せどから廻って来たらしい、草鞋を穿いたなりで、胴乱どうらん根付ねつけ紐長ひもながにぶらりとげ、銜煙管くわえぎせるをしながら並んで立停たちどまった。
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
旧劇はもとより卑俗の見世物みせものたりといへども、昔のまま保存せしむれば、江戸時代の飾人形かざりにんぎょう、羽子板、根付ねづけ、浮世絵なぞと同じく、休みなき吾人日常の近世的煩悶はんもんに対し、一時の慰安となすに足るべし。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
黒髪くろかみのかげの根付ねづけたまは、そらへとんでいつてはあをひかつた。
桜さく島:見知らぬ世界 (新字旧仮名) / 竹久夢二(著)