“梨地”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
なしじ84.6%
なしぢ15.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
すると、だんだん気持のよい光沢が出て来て、金らしくなるのである。この金は、それだから、梨地なしじのような光り方である。
九谷焼 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
振り仰いた万太郎は、梨地なしじの星をさえぎって屋根の峰に立った黒い男の影を、一目で日本左衛門の黒装束くろしょうぞくと見てとりました。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
桟橋へあがつて東洋汽船会社の前あたりへ来ると、一本線の電車や二頭の牛を附けた撒水さんすゐ車や、赤い真鍮粉しんちうこ梨地なしぢをした力車りきしやなどがづ目を引いた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
清左衞門の取出したのを見ると、梨地なしぢに菊の花を高蒔繪たかまきゑにした見事な手文庫の、朱の紐を卷いた封は破られて、中を開けると、二三枚の小菊と、見すぼらしい短刀が入つて居るだけです。