“なしじ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
梨地64.7%
梨子地35.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ひょろ松は、藤五郎のほうへグイと膝を進め、帷子の袂から珊瑚の緒止めのついた梨地なしじの印籠を取りだして、藤五郎の眼の前へそれを突きつけ
顎十郎捕物帳:18 永代経 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
群集が渦を巻いて街道を流れ、その間を馬の群が駈け巡り、その上を火の子が梨地なしじのように飛んだ。
剣侠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
第一が黒の蝋色ろういろである。それから、朱、青漆あおうるし、朱うるみ、ベニガラうるみ、金白檀びゃくだん塗り、梨子地なしじ塗りなど。
お玉はそれを、町の方へ向けてなるべく明るいようにして、仔細に見ると、梨子地なしじ住吉すみよしの浜を蒔絵まきえにした四重の印籠に、おきなを出した象牙ぞうげ根付ねつけでありましたから
大菩薩峠:06 間の山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)