“奴:め” の例文
“奴:め”を含む作品の著者(上位)作品数
野村胡堂28
吉川英治16
夢野久作13
海野十三11
森鴎外7
“奴:め”を含む作品のジャンル比率
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸12.9%
文学 > ロシア・ソヴィエト文学 > 小説 物語11.1%
文学 > 日本文学 > 小説 物語4.1%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
「さてはその方、あらかじめ自分でぬすみ、松の根元にかくしいたものにちがいあるまい。不届ふとどきもの!」
とんまの六兵衛 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
「馬鹿……その一円は昨日きのうの診察料じゃ。それを取返しに来るような奈良原到と思うか。見損なうにも程があるぞ」
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「そうとも文字通り殺したよ。お岩をれろと云った所、左門頑固に断わったからな。それで簡単にたたっ切ったのさ」
隠亡堀 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「……これはこれは……まだ御機嫌も伺いませいで……亭主の佐五郎で御座りまする。……何か女中が無調法でも……ヘヘイ……」
斬られたさに (新字新仮名) / 夢野久作(著)
大きな帽子を被った両棲動物がうるさく附き纏って、おれの膝に腰を掛けて、「テクサメエトルを下さいな」なんと云う。
(新字新仮名) / オシップ・ディモフ(著)
「何ぬかす、あんぽんたん。わいが寝こんでしもて、孫がどうなるもんか。ベンゲットの他あやんは、敲き殺しても死なへんぞ。」
わが町 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
「おお、ハンス。ナチスの旗を立てている。なに、モール博士、降服しろと信号を送っているぞ。な、なまいきな奴だ」
人造人間の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
だから、あなたがこの手紙を御覧になるときはその点でもユリ、運のいい奴! と私をゆすぶって下すっていいのです。
「見なされ、やはり伊織めであったがな。武蔵が、なんぞ肚に一物あって、わしらが後をけさせたに違いはない」
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「然し、」と彼はまたしても吉野が憎くなる。「アノ野郎、(有難う御座います。)とはよくも言ひやがつた!」
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「馬鹿ッ、何の理由があって縛る。それを聞かないうちは、不浄役人のままになる俺ではない、命の要らぬ奴は来い」
「なあんだ兵吉じゃねえか。仁助にすけも三吉もか。馬鹿野郎ども。我家さチャセゴに来る奴、あっか。馬鹿。」
手品 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
「人非人! 人非人奴! どれほどまで執念しふね妾達わたしたちを、苦しめるのでございませう。あゝ口惜しい! 口惜しい!」
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
——危ねえ、間抜けッと、いつもの調子でやらかすと、無礼者ッ、通行の女にたわむれるとは不都合千万、それへ直れ、ピカリと来た
「人に貸すような器用な面じゃねえ、退きやがれ、おべっかなんか使やがったって、酒は飲ませねえぞ、間抜け
うなだれて柳吉は、蝶子の出しゃ張りと肚の中でつぶやいたが、しかし、蝶子の気持は悪くとれなかった。
夫婦善哉 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
不埒ふらちな奴……すぐに与九郎の家禄を取上げて追放せい。薩州の家来になれと言うて国境からたたき放せ。よいか。申付けたぞ」
名君忠之 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
コイツ、降りるといったって他の船へ乗れあ、又、災難わざをしやがるんだからここで片付けた方が早道だ。
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「そうだよ。チーア卿といってな、チャーチルの特使じゃよ。モヒ中毒を装ったがしい男じゃ」
「又来てやがる! 行かねえか、かた! 愚図々々してるとふんづかまえて、つき出してやるぞ!」
掠奪せられたる男 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
あれは犬じゃ烏じゃと万人の指甲つめはじかれものとなるは必定ひつじょう、犬や烏と身をなして仕事をしたとて何の功名てがら
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「何だ。貴様たち。こちらは文字のある先生方じゃないか。下衆のくせに寄ってたかって、先生方に反抗はむかうなんて、恥知らずが……。」
艸木虫魚 (新字新仮名) / 薄田泣菫(著)
息子が係りの刑事に連れられて、入ってきたのを見るや否や、いきなり大声で「こン畜生! この親不孝の馬鹿野郎!」と怒鳴どなりつけた。
母たち (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
「黙れ。もうわしの云う事には背かぬと、たった今云ったではないか。この心得違い者が。貴様も矢張り紅木大臣のような眼に会いたいのか」
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
「なにッ」主膳の隻手はもう刀架の刀にかかった。「ふとどき者って捨てる、外へれ出せ」
皿屋敷 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
先刻さっきから見えぬといい、あるいは婆々が連れ出しはしないかと思うばかりで、それよりほかに判断の附様つけようがございません。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「何を、すべたッ、誰がお前なんかに怖れるものか、奥村の殿様の手前、許しておけば際限の無い女だッ」
天保の飛行術 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
「その通りだよ、親分、自分の本当の娘でないから、閑斎の海坊主、お澪を大旗本の何とかのかみめかけに差出すことを承知したんだ」
「ヨシ、ごろつき、死ぬまでやってやる」私はこう怒鳴ると共に、今度は固めた拳骨で体ごと奴の鼻っ柱を下から上へ向って、小突こづき上げた。
淫売婦 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
オルクンは、わたくし共の様子を見て、疑はれたのだなとさとつたものですから、仲間の槍を皆取り上げて、一束にして一人の男に渡しました。
淡々根が材木屋のむすこだけあつて、商才を弟子集めの上にはたらかして、門下三千と称してゐる。
上田秋成の晩年 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
「馬鹿、封印を切って持って来るとは何事だ、——万一中に間違いがあると、その分には差し置かぬぞ」
この頃のお常は、己を傍に引き附けて置いてふくれ面をしてあらがってばかしいようとしやがる。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
「今年は何うやら鰻が、上方の方へでも引っ越したらしい。何処どこあさっても獲物がねえ」
隠亡堀 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
反対者の冷笑熱罵ねつばもコヽを先途せんどき上れり、「露探」「露探」「山木の婿の成りぞこね」「花吉さんへよろしく願ひますよ」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
『巧く言つてやがらア、畜生!』と、心のうち。『甚麽どんな男です、貴女の見る所では?』
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
山賊らと言葉を交わすはけがらわしいとでも云うようにただいつまでも俯向うつむいている。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「だらしがないは口が過ぎるぞ、ガラッ八手前てめえなどは、だらしのあるのは碁だけだろう」
「惣八郎何様なにようとがによりまして」ときいた。すると志摩はやや声を励まして、
恩を返す話 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
二三度聞直して漸く分ッて洋燈ランプは持ッて来たが、心無しが跡をも閉めずして出て往ッた。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
兎に角、そう言うから、じゃお宮という女、何を言っているのか、知れたものじゃない、と思いもしたが、まだ何処へも行きゃしないというので安心した。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
いかなることがあろうとも、その「恥知らず」の方へ一歩も曲げようとは欲しなかったであろう。
「此上は他の渡しのある処まで廻り路でも行くの他は無い。ちぇっ、憎っくき坊主」と憤慨した。
死剣と生縄 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
「二た月後に迫る、砲術の御前試合に勝ち度さに、妹に売女ばいた真似まねをさせ、相手の『秘巻』を奪い取って済むと思うか、恥を知れッ、犬ッ」
江戸の火術 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
「では、あの、前夜あの者をおかばい遊ばしたことを、お詑びに参るのでござりまするか」
「たわけな武者修業、剣法ではうぬには勝てぬけども、鎌の手の妙術、自然に会得した滝之助たきのすけだ。むざむざ尻叩しりたたきを食うものか」
怪異黒姫おろし (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
エエ、ままよこの人形の、艶かしい這面しゃっつらを、叩きのめし、手足をひっちぎってしまったなら、門野とてまさか相手のない恋も出来はすまい。
人でなしの恋 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「わざと求めて邂逅いきあってやろう。そうだ北条内記に。そうして彼奴きゃつの眼の前で、思うさま大声で笑ってやろう。ゲラゲラゲラと崩れるように」
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
しかしそれも短気かナ、やっぱり召喚状が来たら復職するかナ……馬鹿、それだからおれは馬鹿だ、そんな架空な事を宛にして心配するとは何んだ馬鹿奴。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
彼はまた激しく召し使いどもに平手を食わした、そして「このひきずりが!」とよく言った。
「それから——例の、軽輩の秋水党、こいつが、又二の舞を演じて、某らを討取ろうと——」
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
「今こそ思い知ったか、このすべた」一寸法師は芝居がかりで始めた。「よくもよくもこの俺を馬鹿にしたな。不具者の一念が分ったか、分ったか、分ったか」
踊る一寸法師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「あの一件を忘れているようじゃ困る。ほら、あれじゃ、燻製くんせいのあれを、ほら中国の金博士に届けろといったあれだ。まだ届けてないんだな、こいつ
「……ナ……何で止めた。たわけがっ……お上を恐れぬ不埒な非人風情。蔵元屋の秘密うちまくが洩れてはならぬと存じて斬り棄ててくれようと存じたに……」
とくと御配慮を願ひます。私が御預り申上げましたのは、確かに此小菊となまくら」
平次は驚きもしません。ガラッ八何を面喰らって飛込んできやがった——といった顔です。
「いや人でなしに、切腹を申しつけるかどはない。縛り首にせい。縛り首にじゃ。」
忠義 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「が、この俺もとっちめられた。爾来じらい殺人が出来なくなった。自然釜も空腹よ」
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「親のすがたを見て、逃げ出すとはなんの芸じゃ。われは、木の股から生れくさったか、わしが子ではなかったかよ。——こ、これッ、ここなぼけ者が」
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
——大丈夫よ。委員会は選挙制にするのが理屈だって云ってるわ。あんたの方の親爺、あの禿はげの頑固! あいつだけが皆からビラをふんだくって歩いてるのよ。
工場細胞 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
「……馬鹿……誰が休めと云うたか……銃殺するぞ。馬鹿者がッ。……気を付け……」
戦場 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
殊に私らの仲間ではうっかり羽織袴はおりはかまでも着用に及び、扇子を持って歩き出そうものなら、それこそ馬鹿と叱られる位の進歩をさえ示して来たのである。
めでたき風景 (新字新仮名) / 小出楢重(著)
「自身番のおやじよけいなことを言やがったんで、何だかコウ背筋が少し寒くなった」
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
このオルクンをわたくし共に逢はせて下さつたのは、実に神のお恵みだと思ひます。
おぬし一人で渡るのなら、何もんな悪戯いたずらはせんのだが、若い男と連れなのが癪なんだ。其所で女、死んで了えっ……それとも俺に助けて呉れというか。
死剣と生縄 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
「おれが貴様みたような奴と、手も足もないヌッペラボーと仲よくするものか。喧嘩すりゃあ負けるものだから、そんな弱い事を言うのだろう。ざまを見ろ、弱虫
章魚の足 (新字新仮名) / 夢野久作海若藍平(著)
「失礼いたしました。せがれをさし出して、お旅先を心なきお引留め、おゆるしを」
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「……あなたは何という馬鹿ですか。……立派な礼服を着ていながら、何だって顎を外すようなヘマな事をしたんです……エエッ……この大馬鹿野郎の、大間抜けがアッ」
霊感! (新字新仮名) / 夢野久作(著)
コイツ、日本の参謀本部に売り付ける了簡りょうけんで持って来やがったんだ。
焦点を合せる (新字新仮名) / 夢野久作(著)
いいか、よく聞くがよい、恥知らず! すべてそれらの祝福は天に達せぬ前に落ち
私はシャアの差し出した万年筆で入れ始めた。住所も刷ってないような怪し気な奴めが! と言わんばっかりの顔をしてフガはジロジロと人の手許てもとを眺めていた。
ナリン殿下への回想 (新字新仮名) / 橘外男(著)
私の眼にはハッキリとあの晩イサクが何をしたか解かっているのでございます。
死の復讐 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「では、仕官の口を周旋してやるからといって、あいつに、金を取られたので」
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
番頭ジロリ我々一行の姿を見て、たちまち態度を一変し、無礼極まる言辞をろうして、別館という、梅毒患者ばかり押込めておく薄汚いしつへ追い込もうとした。
「お前に用のないものが、俺に入用なとでも思っとるのか。うつけものが。」
艸木虫魚 (新字新仮名) / 薄田泣菫(著)
「なんだ、鼠がどうしたのだ。鼠、鼠と云って逃げやがったが、首尾がわるいのか。それでは、の中間姦夫まおとこにするか」それから内へ入って、「お岩、お岩」
南北の東海道四谷怪談 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「畜生、場所もあろうに、あてつけがましく、俺の出入さきでやりやがって」
寄席の没落 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「この胡鬼ほとけ、ふざけた真似をしやがるから、罰があたったのだよ」
太虚司法伝 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
鵜呑うのみにして埋めて来たかなしみがえぐりだされるのだ、「蝦夷のうぐいすめは季節の去就にまよっておるのじゃ、たわけものが、ろくなことはあるまいさ」
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
さなくば例の悪計を孝助が告げ口したに相違なし、何しろ余程の腹立はらだちだ、飯島は真影流の奥儀おうぎきわめた剣術の名人で、旗下はたもと八万騎の其の中に
いつものように黄昏たそがれの軒をうろつく、嘉吉引捉ひっとらえ、しかと親元へ預け置いたは、屋根から天蚕糸てぐすはりをかけて、行燈を釣らせぬ分別。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
秀吉「ちんばが、空とぼけやがって!」と、苦笑してそのままになった。
小田原陣 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
茂「己の事をでれすけよばわりをしてえやアがる、罰当り、前橋の藤本で手を合せて、私を請出して素人にしておくんなさる此の御恩は忘れないと云やアがった事を忘れたか」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「たわけ者。この鶉がどれほどの珍宝で、千両のがあるのじゃ。」
王成 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
悪僕、——八蔵に毒を飲まされましたから、私はどうしても助りません。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しみッたれ! 二百匹ばかりの軍馬がなんだ。あの馬を奪りあげたのは、かくいう張飛だが、われをさして強盗とは聞き捨てならん。おれが強盗なら汝は糞賊ふんぞくだ」
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「貴様よくもこんな恥知らずなことをした。馬鹿! 良心はどうした」
伸子 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
「なに、このかたが」と五百は叫んで、懐剣を抜いてった。男ははじめの勢にも似ず、身をひるがえして逃げ去った。この年五百はもう四十七歳になっていた。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
黒田のカサ頭(如水の頭一面に白雲のやうな頑疾があつた)は気が許せぬと秀吉は日頃放言したが、あのチンバ(如水は片足も悪かつた)何を企むか油断のならぬ奴だと思つてゐる。
二流の人 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
黒田のカサ頭(如水の頭一面に白雲のやうな頑疾があつた)は気が許せぬと秀吉は日頃放言したが、あのチンバ(如水は片足も悪かつた)何を企むか油断のならぬ奴だと思つてゐる。
黒田如水 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
「なあるほど、それで、そのまゝ、あの勇助が閻魔様つてわけだね。」
野の哄笑 (新字旧仮名) / 相馬泰三(著)
「暖簾へ首を突っ込んで、気持のわるい眼で中を覗いていやがるから、おれはまた、吉岡道場の廻し者が来たかと思って、ひやりとしたじゃねえか。忌々いまいましい小僧ッ子が」
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「あすも戦うのだ。次の日も。——関羽のかたきを討ち果さんうちは」
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
まさか手では掘れないでせう——と言つた下女の顏を見ると、ガラツ八はグイと肩をそびやかしました。すべた、親分の智慧がどんなに働くか、今に見ろ——と言つた恰好です。
「青二才! よくもやりやがったな。サア今度は覚悟を決めて来い」
淫売婦 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
「君、あれを聞きましたか。アメリカの飛行機のり、飛行機の上から、あの曲を放送しているのですよ。無論、故意にJOAKと同じ波長でネ。しゃれた真似をするメリケン野郎……」
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
成斎は「おのれ鉄砲」と叫びつつ、鞭をふるって打とうとする。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
このカマキリは、幽霊である上に御丁寧にもおかしいのだと思った。
火葬国風景 (新字新仮名) / 海野十三(著)
(三)ヒヤーこりゃ如何どうじゃ。アノ四角、一夜のうちに八角に成りよった。この分でわまた明日わ、十角や二十角にも成るだろう、こりゃ所詮しょせんかなわぬわイ。
三角と四角 (その他) / 巌谷小波(著)
「あの小僧、あつしが訊いた時は、そんな事を一つも言ひませんよ」