おの)” の例文
おのれ小娘、覚悟をしろ。こんな悪戯わるさをして俺の大切な役目を破ったからには生かしておく事は出来ないぞ。どうするか見ておれ」
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
「エエッ、放せ。放さぬか。貴様も悪魔の片割れか。今まで悪魔と馴れ合っていたのか。放せ。放せ。おのレッ」
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
と云いながら、親分の顔にプッとつばを吐きかけた。親分は「おのれ」と云いざま、小僧の胸を目がけて庖丁をグサと突き立てた。けれどもその胸は板のように固かった。
猿小僧 (新字新仮名) / 夢野久作萠円山人(著)
おのれ悪魔の娘、逃げようとて逃がすものか。空の涯までも追っかけて引っ捕えてくれる。引っ捕えたら生かしてはおかないぞ。あとから行く白髪の男、貴様も待て。二人共悪魔であろう。
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)