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疎
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うとん
ふりがな文庫
“
疎
(
うとん
)” の例文
衆人醉へる中に獨り醒むる者は
容
(
い
)
れられず、斯かる氣質なれば時頼は
自
(
おのづ
)
から
儕輩
(
ひと/″\
)
に
疎
(
うとん
)
ぜられ、瀧口時頼とは武骨者の
異名
(
いみやう
)
よなど嘲り合ひて
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
忽
(
たちま
)
ち
親
(
したし
)
み、忽ち
疎
(
うとん
)
ずるのが君の
習
(
ならい
)
で、
咬
(
か
)
み合せた歯をめったに開かず、真心を人の腹中に置くのが僕の性分であった。
痴人と死と
(新字新仮名)
/
フーゴー・フォン・ホーフマンスタール
(著)
「そうだ、姑息な示談などで泣寝入りしては破滅だと、わしが熱心に説けば説くほど
疎
(
うとん
)
ぜられたり嫌われたりした」
渡良瀬川
(新字新仮名)
/
大鹿卓
(著)
学校の
帰途
(
かえるさ
)
、
驟雨
(
にわかあめ
)
に逢えば、四辻から、紺蛇の目で
左褄
(
ひだりづま
)
というのが出て来て、
相合
(
あいあい
)
で手を
曳
(
ひ
)
いて帰るので、八ツ九ツ時分、梓は
酷
(
ひど
)
く男の友人に
疎
(
うとん
)
じられた。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
書肆
(
しょし
)
早くも月々の損失に驚き文学を
疎
(
うとん
)
じて
赤本
(
あかほん
)
を迎へんとするに至つて『活文壇』は忽ち廃刊となりき。
書かでもの記
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
富山はこの殿と親友たらんことを切望して、ひたすらその
意
(
こころ
)
を
獲
(
え
)
んと
力
(
つと
)
めけるより、子爵も好みて
交
(
まじは
)
るべき人とも思はざれど、勢ひ
疎
(
うとん
)
じ
難
(
がた
)
くして、今は会員中善く
識
(
し
)
れるものの
最
(
さい
)
たるなり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
其所で彼は家庭に於ける思索家となツて、何時も何か思索に
耽
(
ふけ
)
ツてゐる、そして何時とは無く實際を
疎
(
うとん
)
ずるといふ
風
(
ふう
)
が出來て來て、
都
(
すべ
)
ての
規則
(
きそく
)
を
無視
(
むし
)
する、何を爲すのも
億劫
(
おつくう
)
になる、嫌になる。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
古人の教えに「朋友に
屡
(
しばしば
)
すれば
疎
(
うとん
)
ぜらるる」とあり。
学問のすすめ
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
さらぬも近隣の少年は、わが袖長き
衣
(
きぬ
)
を着て、
好
(
よ
)
き帯したるを
疎
(
うとん
)
じて、宵々には組を造りて
町中
(
まちなか
)
を横行しつつ、我が
門
(
かど
)
に集いては、軒に懸けたる
提灯
(
ちょうちん
)
に
礫
(
つぶて
)
を投じて口々に
罵
(
ののし
)
りぬ。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
疎
常用漢字
中学
部首:⽦
12画
“疎”を含む語句
疎々
疎遠
気疎
疎髯
疎通
疎忽
疎漏
疎懶
疎外
疎略
空疎
疎濶
疎匆
疎雑
佳人意漸疎
可疎
疎林
疎開
疎隔
疎末
...