“疎々”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うとうと51.7%
うと/\31.0%
そゝ6.9%
そそ3.4%
よそよそ3.4%
よそ/\3.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
固より根がお茶ッぴいゆえ、その風には染り易いか、たちまちの中に見違えるほど容子ようすが変り、何時しか隣家の娘とは疎々うとうとしくなッた。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
まる/\と肥つた力三が一番秘蔵で、お末はその次に大事にされて居た。二人の兄などは疎々うと/\しく取りあつかはれて居た。
お末の死 (新字旧仮名) / 有島武郎(著)
さま/″\の評判のうちに、秋は去り、冬は来た。木の葉は疎々そゝとして落ち、打渡した稲はきいろく熟した。ある朝はしもは白く本堂の瓦の上に置いた。
ある僧の奇蹟 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
仲達のくちをつつんでいる疎々そそたる白髯はくぜんはふるえていた。あきらかに彼は赫怒かくどしていた。——がなお、それを手にしたままじっと見ていた。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その結果として葉子はたちまち船中の社交から葬られてしまった。少なくとも田川夫人の前では、船客の大部分は葉子に対して疎々よそよそしい態度をして見せるようになった。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
何故、父や弟にばかり親切にして、自分には左様さう疎々よそ/\しいのであらう。何故、同じ屋根の下に住む程の心やすだては有乍ら、優しい言葉の一つも懸けて呉れないのであらう。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)