“よそよそ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
余所余所25.8%
余所々々22.6%
他所他所22.6%
外々6.5%
外所々々3.2%
他人他人3.2%
他処々々3.2%
他所々々3.2%
余処々々3.2%
疎々3.2%
餘所餘所3.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
四郎の言葉には、すこし余所余所よそよそしいところがあるばかりで、一向恨みがましい節も見えなかった。
(新字新仮名) / 海野十三(著)
今度からは訪ねて来ても出来るだけ余所々々よそよそしくして、玄関で会って帰す程度にしたいと、自分でも思い、夫にもそう云い付けられていたのであるが、今日の場合は
細雪:02 中巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「葉子! お前はなんでこのごろそう他所他所よそよそしくしていなければならんのだ。え?」
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
あれ以後、ヤンとマヌエラのあいだは非常に外々よそよそしいものだった。
人外魔境:01 有尾人 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
一年以上も、あんなにわたくしに外所々々よそよそしくしている葛岡が、わたくしの知らない所で安宅先生に伴っているのを急に不快に思い出して来ました。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
それにしても安宅先生が櫟林のこっちの学園地帯に在っての葛岡に対する態度はあまり外所々々よそよそしかった。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
つつまず見せる。——それが嫌なら、もっと、他人他人よそよそしくいたそうか
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
慌ててみても初まらないことだから、さういふ時はなるべくポカンとして、他人の身の上を相談されてゐるやうな他処々々よそよそしい間抜面をすることである。——
竹藪の家 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
キミ子の肉体すらもすでに他所々々よそよそしかつたが、太平は芥溜ごみためをあさる犬のやうに掻きわけて美食をあさり、他所々々しさも鬼の目も顧慮しなかつた。陰鬱な狂つた情慾があるだけだつた。
外套と青空 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
種々いろんなものがあって、錠も下さないであったが、婆さんがしたのか、誰れがしたのか、何時の間にかお前の物は、余処々々よそよそしく、他へ入れ換えて了って、今では唯上たったの一つが、き差し出来るだけで
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
その結果として葉子はたちまち船中の社交から葬られてしまった。少なくとも田川夫人の前では、船客の大部分は葉子に対して疎々よそよそしい態度をして見せるようになった。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
それが急に冷淡な調子で、世間の侮蔑とその心の中を鳴り合せてゐる樣な餘所餘所よそよそしい態度を、みのるが見せたといふ事が義男には思ひがけなかつた。
木乃伊の口紅 (旧字旧仮名) / 田村俊子(著)