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疎々
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うとうと
ふりがな文庫
“
疎々
(
うとうと
)” の例文
固より根がお茶ッぴいゆえ、その風には染り易いか、
忽
(
たちまち
)
の中に見違えるほど
容子
(
ようす
)
が変り、何時しか隣家の娘とは
疎々
(
うとうと
)
しくなッた。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
彼らとは思いのほか
疎々
(
うとうと
)
しくなっている私の耳にも入っていたが、今は健康も
恢復
(
かいふく
)
して、春ごろからまた毎日大阪の方へ通勤しているのであった。
蒼白い月
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
キリストの精神を無視した俗悪な態度だといきまいたが、親佐がいっこうに取り合う様子がないので、両家の間は見る見る
疎々
(
うとうと
)
しいものになってしまった。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
疎々
(
うとうと
)
しくふるまう相手を、内々高く買っていたり、君の場合などがそうで、案外高く信頼されているのだよ
ジロリの女
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
なんでもこんな事を
下々
(
しもじも
)
に聞かせてはならない。昨日奥さんの御病気になられたのでからが、御隠居様を
疎々
(
うとうと
)
しくなされた罰だなんぞと
囁
(
ささや
)
き合っているらしい。
蛇
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
けれどもそれらは決して私と漱石氏との間を
疎々
(
うとうと
)
しくするほどの大事件ではなかった。漱石氏の家で毎週催おされる木曜会には私は主な出席者の一人であった。
漱石氏と私
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
私と香川礼子の間は、此の血腥さい事件を転機として、妙にこじれて、
疎々
(
うとうと
)
しくなって行きました。
新奇談クラブ:04 第四夜 恋の不在証明
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
青年も、美奈子が、——一度あんなに彼に親しくした美奈子が、また
掌
(
てのひら
)
を
飜
(
かえ
)
すように、急に再び
疎々
(
うとうと
)
しくなったことが、彼の責任であることに、彼も気が付いていなかった。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
そういう時勢であったから椿岳は二軒
懸持
(
かけもち
)
の旦那で
頤
(
あご
)
を
撫
(
な
)
でていたが、淡島屋の妻たるおくみは男
勝
(
まさ
)
りの
利
(
き
)
かぬ気であったから椿岳の放縦気随に
慊
(
あきた
)
らないで自然段々と
疎々
(
うとうと
)
しくなり
淡島椿岳:――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
朝から晩まで
戸外
(
そと
)
に居るが、その後妻のお兼とお柳との
関係
(
なか
)
が兎角面白くないので、同じ家に居ながらも、信之親子と祖父母や其子等(信之には兄弟なのだが)とは、
宛然
(
さながら
)
他人の様に
疎々
(
うとうと
)
しい。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
宮は
疎々
(
うとうと
)
しい待遇を受けるというような恨みを述べておいでになった。
源氏物語:25 蛍
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
嬉
(
うれ
)
しきは月の
夜
(
よ
)
の
客人
(
まれびと
)
、つねは
疎々
(
うとうと
)
しくなどある人の心安げに
訪
(
と
)
ひ
寄
(
より
)
たる。男にても嬉しきを、まして女の友にさる人あらば、いかばかり嬉しからん。みづから
出
(
いづ
)
るに
難
(
かた
)
からば
文
(
ふみ
)
にてもおこせかし。
あきあはせ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
が、その内にふと嬉しく思い惑う事に
出遇
(
であ
)
ッた。というは他の事でも無い、お勢が
俄
(
にわか
)
に昇と
疎々
(
うとうと
)
しくなった、その事で。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
一度自分に
附文
(
つけぶみ
)
などをしてから、妙に
疎々
(
うとうと
)
しくなっていたあの男が、婚礼の晩にどんな顔をして来るかと思うと、それが待遠しいようでもあり、不安なようでもあった。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
考えて
疎々
(
うとうと
)
しくしているうちに、可哀相に妹の奴が殺されてしまったのだよ
銭形平次捕物控:004 呪いの銀簪
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
田舎にいる母親の時々の消息を通して、やっと生死がわかるくらい、二人のなかは
疎々
(
うとうと
)
しかった。
爛
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
疎
常用漢字
中学
部首:⽦
12画
々
3画
“疎”で始まる語句
疎
疎林
疎遠
疎開
疎忽
疎髯
疎漏
疎隔
疎懶
疎外