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疎
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そ
ふりがな文庫
“
疎
(
そ
)” の例文
また日本とも二千年来よほど関係のある土地であるにも
拘
(
かか
)
わらず、人口は
疎
(
そ
)
であって、すべて経済上の発達はよほど幼稚である。
東亜の平和を論ず
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
春星
(
しゆんせい
)
影
(
かげ
)
よりも
微
(
かすか
)
に空を
綴
(
つゞ
)
る。
微茫月色
(
びばうげつしよく
)
、花に
映
(
えい
)
じて、
密
(
みつ
)
なる枝は月を
鎖
(
とざ
)
してほの
闇
(
くら
)
く、
疎
(
そ
)
なる
一枝
(
いつし
)
は月にさし出でゝほの白く、
風情
(
ふぜい
)
言ひ
尽
(
つく
)
し
難
(
がた
)
し。
花月の夜
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
〔評〕南洲
胃
(
い
)
を病む。英醫
偉利斯
(
いりす
)
之を
診
(
しん
)
して、
勞動
(
らうどう
)
を
勸
(
すゝ
)
む。南洲是より山野に
游獵
(
いうれふ
)
せり。人或は病なくして犬を
牽
(
ひ
)
き兎を
逐
(
お
)
ひ、自ら南洲を學ぶと謂ふ、
疎
(
そ
)
なり。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
後世その人に代わりて
冤
(
えん
)
をそそぐものもあり、あるいは碑を建て史を編み、もってその名をして不朽に伝えしむるものもありて、「
天網恢々
(
てんもうかいかい
)
疎
(
そ
)
にして漏らさず」
通俗講義 霊魂不滅論
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
それがどうだろう、
天網恢々
(
てんもうかいかい
)
疎
(
そ
)
にして漏らさず、今度という今度は電車のなかの一件と、その晩の焼鳥一件と、一日にふたつも馬脚を現してしまったではないか。
寄席
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
▼ もっと見る
「賊の
頭
(
かしら
)
! つらを上げろ。……
燈籠
(
とうろう
)
見物にまぎれていたら、誰にも分るまいと思っていたのだろうが、なんぞ知らん、
天網恢々
(
てんもうかいかい
)
疎
(
そ
)
にして
漏
(
も
)
らさずだ。恐れ入ったか」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「天誅も骨が折れるな。これで
天網恢々
(
てんもうかいかい
)
疎
(
そ
)
にして
洩
(
も
)
らしちまったり、何かしちゃ、つまらないぜ」
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
閉花羞月好手姿 巧計人を
賺
(
あざむ
)
いて人知らず 張婦李妻定所無し 西眠東食是れ生涯 秋霜粛殺す刀三尺 夜月凄涼たり笛一枝 天網
疎
(
そ
)
と雖ども
漏得難
(
もれえかた
)
し 閻王廟裡
擒
(
きん
)
に就く時
八犬伝談余
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
斯く山深く人煙また極めて
疎
(
そ
)
なるに係らず、わが生れた村の歴史は可なりに古いらしい。
古い村
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
社の方でも
山田
(
やまだ
)
の
平生
(
へいぜい
)
の
消息
(
せうそく
)
を
審
(
つまびらか
)
にせんと
云
(
い
)
ふ
具合
(
ぐあひ
)
で、
此
(
こ
)
の
隙
(
すき
)
が
金港堂
(
きんこうどう
)
の
計
(
はかりごと
)
を
用
(
もちゐ
)
る所で、
山田
(
やまだ
)
も
亦
(
また
)
硯友社
(
けんいうしや
)
と
疎
(
そ
)
であつた
為
(
ため
)
に
金港堂
(
きんこうどう
)
へ心が動いたのです、
当時
(
たうじ
)
は
実
(
じつ
)
に
憤慨
(
ふんがい
)
したけれど
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
然し
真近
(
まぢか
)
く進んで、書生の田崎が、例の漢語交りで、「坊ちゃん此の通りです。
天網恢々
(
てんもうかいかい
)
疎
(
そ
)
にして漏らさず。」と差付ける狐を見ると、鳶口で打割られた
頭蓋
(
とうがい
)
と、喰いしばった牙の
間
(
あいだ
)
から
狐
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「
佳人
(
かじん
)
意
(
こころ
)
漸
(
ようや
)
く
疎
(
そ
)
なり——これは八五郎が、お染さんに嫌われたという
意
(
こころ
)
だ」
銭形平次捕物控:073 黒い巾着
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
一同はいまさらながら、
天網恢々
(
てんもうかいかい
)
疎
(
そ
)
にして
漏
(
も
)
らさずという
古言
(
こげん
)
を味わった。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
骨肉の情いずれ
疎
(
そ
)
なるはなけれども、特に親子の情は格別である、余はこの
度
(
たび
)
生来未だかつて知らなかった沈痛な経験を得たのである。余はこの心より推して一々君の心を読むことが出来ると思う。
我が子の死
(新字新仮名)
/
西田幾多郎
(著)
嗚呼
(
ああ
)
子にして父の葬に会するを得ず、父の
意
(
い
)
なりと
謂
(
い
)
うと雖も、子よりして論ずれば、父の子を待つも
亦
(
また
)
疎
(
そ
)
にして薄きの
憾
(
うらみ
)
無くんばあらざらんとす。詔或は時勢に
中
(
あた
)
らん、
而
(
しか
)
も実に人情に遠いかな。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
天網恢々
(
てんもうかい/\
)
疎
(
そ
)
にして洩らさず、其の内に再び
召捕
(
めしと
)
られたら、いよ/\
国中
(
こくちゅう
)
へ恥を
曝
(
さら
)
さなければ成りますまい、只今お町殿へ
明日
(
あす
)
のことを申上げ、お別れに
只
(
たっ
)
た一目お逢いなされてはと申入れましたが
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
辰爺さんの曰く、「悧巧なやつは皆東京へ出ちゃって、馬鹿ばかり田舎に残って居るでさァ」と。
遮莫
(
さもあれ
)
農をオロカと云うは、
天網
(
てんもう
)
を
疎
(
そ
)
と
謂
(
い
)
い、月日をのろいと云い、大地を動かぬと謂う意味である。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
「佳人心漸く
疎
(
そ
)
なり——これは八五郎が、お染さんに嫌はれたといふ
意
(
こゝろ
)
だ」
銭形平次捕物控:073 黒い巾着
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
疎
常用漢字
中学
部首:⽦
12画
“疎”を含む語句
疎々
疎遠
気疎
疎髯
疎通
疎忽
疎漏
疎懶
疎外
疎略
空疎
疎濶
疎匆
疎雑
佳人意漸疎
可疎
疎林
疎開
疎隔
疎末
...