“廃頽期”の読み方と例文
読み方割合
はいたいき100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かくの如く文化年代の浮世絵に至つてすこぶる顕著となりし極端なる写実の傾向は、爛熟し尽せる江戸文明の漸く廃頽期はいたいきに向はんとする前兆を示すものならずや。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
連句はその末流の廃頽期はいたいきに当たって当時のプチブルジョア的有閑階級の玩弄物がんろうぶつとなったために、そういうものとしてしか現代人の目には映らないことになった。
映画雑感(Ⅰ) (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
老中筆頭は田沼主殿頭たぬまとのものかみ、横暴をきわめたものであった。時世は全く廃頽期はいたいきに属し、下剋上の悪風潮が、あらゆる階級を毒していた。賄賂請託わいろせいたくが横行し、物価が非常に高かった。
銅銭会事変 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)