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頽
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なだ
ふりがな文庫
“
頽
(
なだ
)” の例文
乗り合いは前後に
俯仰
(
ふぎょう
)
し、左右に
頽
(
なだ
)
れて、
片時
(
へんじ
)
も安き心はなく、今にもこの車
顛覆
(
くつがえ
)
るか、ただしはその身投げ落とさるるか。
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
いよいよ下降する石畳から、壊はされた黒い
楔
(
くさび
)
の扉口からだ。ざんざんと
頽
(
なだ
)
れこむ躁擾からそれら卑少の歴史から、虜はれの血肉をみづから引き剥して、己は三歳の嬰児だ。
逸見猶吉詩集
(新字旧仮名)
/
逸見猶吉
(著)
故郷の家の傾斜の急な高い
茅葺
(
かやぶき
)
屋根から、三尺餘も積んだ雪のかたまりがドーツと
轟然
(
ぐわうぜん
)
とした地響を立てて
頽
(
なだ
)
れ落ちる物恐ろしい光景が、そして子供が下敷になつた怖ろしい幻影に取つちめられて
崖の下
(旧字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
岩石の障壁が
頽
(
なだ
)
れをうって、肩下りに走っている、その峰は皆剣のように尖れる岩石である、麻の
草鞋
(
わらじ
)
が、ゴリゴリと、その切ッ先に触れて、一本一本麻の糸が引き截られるのが、眼に見るようで
白峰山脈縦断記
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
比枝
(
ひえ
)
の
法師
(
ほうし
)
も、
花賣
(
はなうり
)
も、
打
(
う
)
ち
交
(
まじ
)
りつゝ
頽
(
なだ
)
れゆく
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
▼ もっと見る
団々
(
だんだん
)
として渦巻く
煤烟
(
ばいえん
)
は、
右舷
(
うげん
)
を
掠
(
かす
)
めて、
陸
(
おか
)
の
方
(
かた
)
に
頽
(
なだ
)
れつつ、長く水面に
横
(
よこた
)
わりて、遠く
暮色
(
ぼしょく
)
に
雑
(
まじ
)
わりつ。
取舵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
比枝
(
ひえ
)
の法師も、花賣も、打ち交りつつ
頽
(
なだ
)
れゆく
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
頽
漢検1級
部首:⾴
16画
“頽”を含む語句
衰頽
頽然
雪頽
頽雪
頽廃
廃頽
頽廃的
胡頽子
頽唐
人雪頽
崩頽
頽勢
敗頽
廃頽的
頽齢
頽廢
廃頽期
頽廢堂
傾頽
頽折
...