“加能丸”の読み方と例文
読み方割合
かのうまる100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
恰(あたか)も加能丸(かのうまる)の滅亡(めつばう)を宣告(せんこく)せむとて、惡魔(あくま)の遣(つか)はしたる使者(ししや)としも見(み)えたりけむ、乘客等(じようかくら)は二人(にん)三人(にん)、彼方(あなた)此方(こなた)に額(ひたひ)を鳩(あつ)めて呶々(どゞ)しつゝ、時々(とき/″\)法華僧(ほつけそう)を流眄(しりめ)に懸(か)けたり。
旅僧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
去(い)にし年(とし)秋(あき)のはじめ、汽船(きせん)加能丸(かのうまる)の百餘(ひやくよ)の乘客(じようかく)を搭載(たふさい)して、加州(かしう)金石(かないは)に向(むか)ひて、越前(ゑちぜん)敦賀港(つるがかう)を發(はつ)するや、一天(いつてん)麗朗(うらゝか)に微風(びふう)船首(せんしゆ)を撫(な)でて、海路(かいろ)の平穩(へいをん)を極(きは)めたるにも關(かゝ)はらず
旅僧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「一人女(ひとりをんな)」「一人坊主(ひとりばうず)」は、暴風(あれ)か、火災(くわさい)か、難破(なんぱ)か、いづれにもせよ危險(きけん)ありて、船(ふね)を襲(おそ)ふの兆(てう)なりと言傳(いひつた)へて、船頭(せんどう)は太(いた)く之(これ)を忌(い)めり。其日(そのひ)の加能丸(かのうまる)は偶然(ぐうぜん)一人(にん)の旅僧(たびそう)を乘(の)せたり。
旅僧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)