“しょうらい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
松籟48.2%
将来25.0%
招来8.9%
性来7.1%
生来7.1%
請来3.6%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
何処かでは、淙々そうそうと水のひびき、松籟しょうらいかなでがしている。それに消されてか、いつまでも返辞はなかった。するうちに、
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私は、しんみりした気持で周さんの後について山を降りた。何か、このひとが、自分の肉親のような気がして来た。うしろの松林から松籟しょうらいが起った。
惜別 (新字新仮名) / 太宰治(著)
これを聞けば、雲に包まれた滝の響きか岩に砕くる遠海の音か竹林を払う雨風か、それともどこか遠き丘の上の松籟しょうらいかとも思われる。
茶の本:04 茶の本 (新字新仮名) / 岡倉天心岡倉覚三(著)
たましいのありかをるといういきかたで、考古学こうこがく将来しょうらいに、あかるいみちひらけるようながしたと
うずめられた鏡 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「あれで、なかなかかんがえぶかいところがあって、将来しょうらいのあるひとおもっていたのに。」と、おとうさんは、おしまれました。
緑色の時計 (新字新仮名) / 小川未明(著)
義雄よしおさんには、将来しょうらいたのしみが一つできました。来年らいねんはるたれたのであります。
赤い実 (新字新仮名) / 小川未明(著)
いまの世は、その地蔵菩薩でも招来しょうらいせねば助かりようもない時勢というてもよいでしょう。そんな波風へ立って行くそなたたちじゃ。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ところが、その中の一名で、しかも三木一城の今日の運命を招来しょうらいした発頭人ほっとうにんであるところの別所賀相よしすけが、いつのまにか姿をかき消していた。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「申すまでもなく、基礎を武家におき、武家によるよき代を招来しょうらいせんものとしております」
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
元々木や石で出来上ったと云う訳ではないから人の不幸に対して一滴の同情くらいはゆうに表し得る男であるがいかんせん性来しょうらい余り口の製造に念がっておらんので応対に窮する。
趣味の遺伝 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
おれは、性来しょうらい構わない性分だから、どんな事でも苦にしないで今日まで凌いで来たのだが、ここへ来てからまだ一ヶ月立つか、立たないうちに、急に世のなかを物騒ぶっそうに思い出した。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
彼は性来しょうらい元気な男であった。その上酒を呑むとますます陽気になる好い癖を持っていた。そうして相手が聞こうが聞くまいが、頓着とんじゃくなしに好きな事を喋舌しゃべって、時々一人高笑いをした。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
お勢の生立おいたちの有様、生来しょうらい子煩悩こぼんのうの孫兵衛を父に持ち、他人には薄情でも我子には眼の無いお政を母に持ッた事ゆえ、幼少の折より挿頭かざしの花
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「そういうわけならば、ひとつ私も探してみましょう。あのお松とても生来しょうらいが、それほど馬鹿ではなかったはずですから、尋ね出して聞いてみたら何か事情があるかも知れません」
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
それからどこの学校へはいろうと考えたが、学問は生来しょうらいどれもこれも好きでない。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
果して、木像の中から金無垢きんむくの大変な仏像が現われました。大師入唐にっとうのとき、請来しょうらいしたのではあるまいかという——これは後の話——。
ですからはっきり拙僧の申したように、庶民も分っていなければいけません。妙な迷信や混信の弊もそこに生じましょう。拙僧の解釈はきっと仏徒には不平でしょうが、そもそも、はっきりした国体のうえへ、中古に請来しょうらいされた仏教です。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)