招来しょうらい)” の例文
旧字:招來
いまの世は、その地蔵菩薩でも招来しょうらいせねば助かりようもない時勢というてもよいでしょう。そんな波風へ立って行くそなたたちじゃ。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ところが、その中の一名で、しかも三木一城の今日の運命を招来しょうらいした発頭人ほっとうにんであるところの別所賀相よしすけが、いつのまにか姿をかき消していた。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
寧子ねねと自分との結婚の工作が、このところ好転しかけているものを、自分でぶちこわすような結果を招来しょうらいするおそれもある。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
玄蕃允げんばのじょうにゆるしたほんの“序戦の取”が、思惑おもわくと相違して、忽ち、味方全軍の致命を招来しょうらいし、敵の大挙を見たときはもはや、狐塚主力の機動も、彼の総帥力そうすいりょく
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「申すまでもなく、基礎を武家におき、武家によるよき代を招来しょうらいせんものとしております」
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)